舞台「マジムリ学園 蕾-RAI-」

久しぶりに来た銀河劇場

アイドルはなぜ舞台をやるのか?という問いに対して今ひとつ答えが出せないでいますが、ともあれ1年半ぶりのチーム8の舞台公演に行ってきました。

マジムリ学園のドラマは当時ちょろーっと見ていたのにあんまりストーリーが頭に入っていませんが、そんな人も分かりやすいほとんど新規のお話。華組、生徒会、百鬼夜行の三つ巴の抗争を描く、男塾だか北斗の拳的なかんじです。正直言ってバトルものがニガテすぎるので、アイドルの殴り合いを観るのは気持ちのいいものではないですが、とはいえ色々メンバーのいつもと違う一面とか、この日に向けて準備してきたものとかが伺えるのは楽しいですね。

そういう意味だとほとんど戦わない優莉奈ちゃん演じるハレンチ先生とかは好きでした。基本いつでも明るいのですが、時には妙に含蓄のある言葉を投げかけたりと、場に与えるポジティブさの種類が豊富だなと。あと、この物語に対して皆が疑問に思っているところをズバズバ言ってくれるところ(笑)優莉奈ちゃんの甲高い声がまたいいんですよね。あんまりハレンチな場面はありませんが()戦わない方の人たちでいうと、彩音ちゃんのツバキとかも好き。彩音ちゃんの本人のキャラも生かした、かつアニメとかでいそうなキャラ!可愛すぎました。こんなクラスメイトが欲しい。それから、アンサンブルで出演しているひだあやが名前のある役を演じる場面があるのですが、そこでの演技が暖かくて自然でいいんですよね。一瞬なんですけど毎回楽しみでした。

戦う人でめちゃくちゃ印象的だったのは横ちゃんで、圧倒的に演技がうまいです。初登場したシーンは誰が演じてるのか一瞬わからないほどでした。声色の豊かさと感情のダイナミクスがすごいのですが、しかしうまく力が抜けている感じがこの人ならではと思います。演出家のひとたちが横ちゃんを推す理由がわかりました。えりちゃんも素晴らしくて、ちゃんと発声が舞台仕様なのがいいです。この舞台はマイクを通していますけど、なくても十分いけるなという感じです。経験豊富な感じがします。それから決して忘れてはならないのは坂川陽香ちゃんです。めちゃくちゃ等身大のリアルな演技ができています。あの若さにして、あの若さにしかできない演技をしていることに驚嘆するほかありません。舞台の合間に出ていたスカパーのアイドルフェス番組でもあまりにも素晴らしかったし、恐ろしい子!とはこのこと。14歳にしてスペックがちょっと高すぎます。

メインの3人でいうと、麟ちゃんの演技が予想以上にパワーアップしていました。舞台らしい叫びの発声がスカッと出ていて、迫力があるなあと。ふだんのセリフにおいても声の厚みの使い分けがとてもいいです。声優とかやってみてくれないかしら?ダンスを踊る場面で表情を崩さないのもかっこいいですね。ゆいゆいは、なんかもはやリリィーがゆいゆいの一部という感じがしすぎて(バッチこいとかでよくやっているし笑)、どこまでもゆいゆいだなぁって感じですが、こういう素直な演技はそれはそれで嬉しいんですよね。最後の挨拶をリリィーでやるのとかは、そうじゃないとできないと感じます。すらっと長い手脚から繰り出されるパンチとキックも映えます。なるちゃんは殺陣でドコドコかましていく躍動感が好き(笑)ここでしか見れない、感情を解放させてるなるちゃんがいいなと。

推しメンも言っていましたが、この3人の役柄に言えるのは、演じる3人の関係性とも通じる部分があるということでしょう。切磋琢磨し互いを意識し続けながら高め合う関係…だからこそ感じられる凄みが物語のクライマックスにはあります。これはおそらく、外の舞台に個人で出ているときにはないもので、アイドルが一緒になって舞台公演をやる醍醐味のようにも感じられました。

ライブパートは久しぶりに聴くチーム8楽曲が懐かしい。セットリストはいくつかパターンがあったようですが、「夢へのルート」をやってるときが楽しかったですね。個人的にはこれ聴くとエイトコン来た感があります(47街はどんなイベントでもやっているので)。振りコピも楽しいし。

という感じで色々発見もあったし、推しメンに3ヶ月ぶりに会えて楽しかった舞台マジムリ。最後に写真をいくつか。なんか推しメンのいい写真が全然撮れなくて泣いた…。

ミュージカル「INTERVIEW 〜お願い、誰か僕を助けて〜」

3月24日の初日を観劇。伊波杏樹さんが出るということ以外に事前情報を入れないで観に行ったんですけど、いやしかし大変な舞台でした。

円形ステージを客席が取り囲む形で、舞台転換が2時間超まったくありません。そんな中での3人芝居というだけで普通じゃないのですけど、物語の展開と個々の演技もまた異様です。物語の導入部では、音のない空間に薄暗いムードだけが漂うなかで、ユジン・キムによるシンクレア・ゴードンに対する「インタビュー」が始まるのだけど、シンクレア=マット・シニアの中に存在する狂気と錯乱、混沌が、徐々に、次々と、あらぬ方向から顔を出しはじめて、たちまち重量感をともなう闇が場を支配するかのような感覚を覚えます。マットを演じる糸川耀士郎さんが(ただの一度も退場しないまま)2時間超のあいだ繰り広げ続けるサイコパシックな在りようは、しばらく脳裏から離れそうにないほど衝撃的。観る者に息もつかせない壮絶さがありました。それに翻弄されながらもなんとか食らいつくように、しかし視線は真っ直ぐにマットと向き合い「インタビュー」を続けるユジン=松本利夫さんの演技も光ります。ジョアンを演じる杏樹ちゃんは物語の鍵を握る存在として、さまざまな場面で舞台上にミステリアスな彩りを加えています。ミステリアスとは言うものの、ある意味でジョアンはただの少女ー子どもであるところが肝心で、その中に潜むイノセントな狂気の含ませ方はとても巧みなものでした。

事前情報なしで観たからか、頭をガツンと殴られたような感覚が持続していて、ただならぬ後味があります。ひとつの密室で展開される物語にもかかわらず、ひとしきり長く忙しい旅行にでも出て帰ってきたかのような。ステージが近い円形ステージであったことも、現実感と時間の流れを曖昧にさせる没入感に寄与していたと思います。去年のあいだはあまり気が乗らずとても久しぶりの観劇だったけれど、それを差し引いたとしても記憶に残る作品です。また観たいなあ。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内シャッフルフェスティバル

およそ2年半ぶりにニジガクのイベントに来ました。なんかもうそれだけで嬉しいですよね。

席は上手側の3階。天空席かなーと思いきや、思いのほかステージが近い。1stライブも行ってないので、まだこのぐらいの距離で見られるのはありがたい話ですね。

シャッフルフェスティバルということで、イベントとしてどういう構成になるのか想像がついていませんでしたが、オープニングが終わるとメンバーがみんな出てきて、久々に「このフォーメーションは!?」となる。予想外に虹色Passions!からのスタート。しかもフル。ニジガクはフォーメーションダンス要素が薄めという初期のイメージがありましたが、気が付けばふつうにがっつり9人10人でパフォーマンスをしています。3人ずつの歌割とポジションの組み合わせを見てあれこれ考えながら見るのが楽しいんですよね。これこれという感覚。先に配信イベントでは披露してはいるものの、アニメでは描かれていない部分も含めてしっかり堪能できた。フォーメーションの前に「この衣装は!?」というわけで、続けて未来ハーモニー。MVとリンクする上下から中心へ向かい、やがて交差していくモチーフが見ていて美しい。衣装もシンプルだけどラブライブシリーズにあまりなかったような色使いが好き。全員ベレー帽がいい!地震後の安全確認の中断を挟んでのNEO SKY, NEO MAP!はなんといっても傘を持っての振り付けが可愛らしくて、曲はけっこう勇壮な感じなのにずっと見てたい癒し感。未来ハーモニーの衣装がまた雰囲気に合ってる。

全員曲はこのへんにして、MCを挟んでから本題のシャッフルフェスティバル。特に予想していたわけではないのだけど、どれをとってもめちゃくちゃイメージがしやすくて、納得の組み合わせになってました。メンバーの側も各々、原曲のカラーに対してキャラだったらこうする、自分だったらこうしたい、というような思考を膨らませる過程とか、それぞれの要素をどう配分するかのバランス感覚の違いがパフォーマンスの中に見えて、とても面白かった。ふんわりとした雰囲気になるのかと思いきやハイトーンで圧倒してくる夢への一歩とか、キュートなアイドルに全振りした愛さんが見られたダイアモンド、単純にともりる(お前が一番!)が歌うのを見たかった決意の光、洒脱な感じが隠しきれてないのが逆にいいめっちゃGoing!!とか、面白い組み合わせが続くのだけど、この日いちばん印象に残ったのがあなたの理想のヒロイン。あぐぽんの手振りの繊細な動きがとにかく美しくて完全に見惚れていたら、サビで後ろを向いてから振り向くところでちょっとびっくり。なんちゅう表情してんすか…。思わず息を呑んでしまう切実さがある。極め付けにラストの「好きだよ」の口の動きと表情まで完璧でした。さすがに大西亜玖璃ちゃんにガチ恋(おたくはすぐガチ恋する)。彼女だから表現できるヒロイン感、アイドル感を前にして、なんだか嬉しくなってしまいました。こういう瞬間のためにアイドルのライブに来ているな…。そんな感じだったので、最後のCHASE!のサビぐらいまで頭の切り替えに時間がかかった()これもつい癖になる中須後輩の歌。

ここでやっと10人揃ったので自己紹介がが入るんですけど、コーレスは初めて現場で聞くので拍手しかできないのが残念なような難易度が低くて助かるような。10人揃ったということで、スクスタ17章バージョンのTOKIMEKI Runnersが本編のラスト。一番盛り上がるやつ。最初にこの曲を聴いたときに想像した景色が現実のものになっているな……。

アンコールは2ndでもあったアンコールメーターの演出。振りコピはもうやめたいしそもそも立ち禁だしなーとか思ってましたが、Love U my friendsはさすがに振りコピせざるを得ませんでした。オーラスはJust Believe!!!。なんとアニメ新規にありがたい選曲!と思ったけど、これはそういえば配信以外でやるのは初めてなんですよね。いやー楽しかった!公演時間は2時間ちょっと。

いやー、1stに行っていなくて、オリジナルの組み合わせを現場で聴いてないのに楽しめるのだろうかとか考えてましたが、全然心配なかったです。シリーズを通してもこういう企画ってなかったので、とても新鮮な体験でした。アニメのOP/EDとアルバム表題曲を全部やってくれたのも当然大きくて。1stや2ndライブを通過していない人でもニジガクの代表曲がきちんとさらえるというのは嬉しい話で、見に来てよかったと思える。

わたしがニジガクをちゃんとフォローしていたのは電撃とかファミ通とかやっていたころで、それから無敵級ビリーバーぐらいまで開いているので、ほぼアニメ新規と言ってもよいと思いますが、アニメもどハマりしてからのこのライブで、ニジガクのライブの空気感がしっかり出来上がっていることがわかり、お台場で見たニジガクとはひと味もふた味も違うなあとしみじみ。これでまた3rdライブが楽しみになっちゃうやつ。やっぱりラブライブ!シリーズのライブは人生の処方箋ですね。

SETLIST

  1. 虹色Passions!
  2. 未来ハーモニー
  3. NEO SKY, NEO MAP!
  4. 夢への一歩(エマ・ヴェルデ)
  5. ドキピポ☆エモーション(桜坂しずく)
  6. Evergreen(近江彼方)
  7. Starlight(三船栞子)
  8. ダイアモンド(宮下愛)
  9. 眠れる森に行きたいな(天王寺璃奈)
  10. 決意の光(優木せつ菜)
  11. めっちゃGoing!!(朝香果林)
  12. あなたの理想のヒロイン(上原歩夢)
  13. CHASE!(中須かすみ)
  14. TOKIMEKI Runners

Encore

  1. Love U my friends
  2. Just Believe!!!