UT2004 Rage Quit Quarantine Cup

今年に入って、RageQuitというコミュニティで大規模なUT2004の大会が続けて行われていて、久しぶりにUT2004界隈に活気が戻っています。Quarantine Cup(すなわち「隔離杯」)と題して、まず3v3 Team Arena Masterの大会に28チームが参加。続いて、花形種目である1v1 Duelの形式も58人が参加しました。

6年ぶりのメジャー大会

自分の知る限りでは、UT2004におけるDuelの大会でここまで大きな規模のものが開催されたのは、UTコミュニティcluex.orgの10years of UT2004 Duel Cup(2014年)以来です。Duel、EU地域に限らなくても、2015年にOwnedwellがホストとなりNA地域で開催されたTAMリーグがほとんど最後の大会だったように思います。2017年頃にcluex.orgが復活して大会案を企画していましたが、結局実際には開催されませんでした。今回はEU各国の外出禁止措置の影響でみんなが暇を持て余していたこともあって、多くのプレイヤーが集まり且つ棄権する選手も少なく、安定した運営のもと6年のブランクを埋めるに十分な非常に充実した大会となりました。

今回の大会の最大のトピックといえば、往年の有力プレイヤーが多く参加したことでしょう。その中でも、UT2004が生んだ最高傑作といえるモンスター🇫🇷skAvenの本格的なカムバックは一大事件でした。彼は前述の10 years of UT2004を圧倒的な強さで制した、UT2004の「最終的な覇者」です。その後、短期間UT4もプレイしていたのですが、本格的に参入することなくフェードアウトしていました。ここ数年は過去のプレイ動画をYouTubeにアップしているぐらいだったのですが、昨年謎のティザー動画をアップしており、そこでの宣言通りの復帰となりました。

3v3 TAM Quarantine Cup

まず先行して行われた3v3のTAMトーナメントでは、skAvenが旧知の🇫🇷ACo、🇨🇭ziLLのフランスチームで参加。3人が3人ともClanBaseやcluex.orgのコンペティションではPremierクラスや1st DivisionとしてランクされていたDuelマスターでもあり、地力で言ってしまえば勝負する前から大会の結果が分かりそうなほどの反則級のドリームチーム。大方の予想通り、落としたのは1ゲームのみという破竹の勢いでWinnerBracket決勝まで勝ち進みます。

ところが、🇷🇺Bugatti, 🇷🇺small, 🇷🇺Vernonのロシア3人組がこのチームを相手にWinnerBracket決勝、グランドファイナルと続けて勝利し優勝を果たすというサプライズが起こります。2回当たって2回勝っているので、決してフロックではありません。試合を見てみると、フランス組はRankinやCampgroundといったOldschoolなマップでは力を発揮しているのですが、逆にCheopsやUnderといったTAM定番のマップでは水を開けられています。TAMでもTDMでもプレイされるGooseは2戦とも接戦となりましたが、熾烈なシーソーゲームの中でこれをものにしたのが結果的にはBugattiらの勝因と言えるでしょう。これらのマップを熟知し、さらにTAMならではのチームワークを活かした見事な優勝でした。

King of Quarantine 1v1 Cup

そして、本命のDuelトーナメント。前述のプレイヤーたちに加えて、🇮🇹stab1lo、🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿dylan、🇵🇱bezi、🇫🇷zelvzz、🇩🇪aiMzといったおなじみのメンバーも顔を揃えました。そして、UT2004中期以降多くのプレイヤーに影響を与えUT2004Duelの時代を切り拓いてきた🇳🇱ScrMzも満を持してカムバック。彼の場合は昨年の後半からUT4のUTProLeagueにも参加していたので、UT2004でのこのような大会は待ち望んでいたところでしょう。

上記のDuel常連勢がグループステージからプレーオフ序盤を勝ち抜いていく中で、大本命であるskAvenとACoの2強、これにziLLや復帰したScrMzがどう対抗していくか、あるいは新勢力の台頭があるのかが焦点となりました。

こうした中で、skAvenはdylan(UT4では一時期mouz所属のプロとして活動)やTAM大会では敗れていたBugattiを向こうに回して難なく勝ち進みます。6年前にも見た圧倒的な強さは全く衰えていません。このまま10years Cupに続くストレート優勝かと思われた矢先のWinnerBracket準決勝に今大会最大のサプライズ。🇸🇮iMouNdeeがIronicでの接戦の末、skAvenから1勝をもぎ取ったのです。skAvenがUT2004のDuelで1敗したのは、少なくとも今回のような大会では記憶にある限りこの10年で1度しかありません(2013年 cluex.orgのziLL戦)。準々決勝ではUS東海岸から参加した🇺🇸Alexanderが敗退はしたもののACoから1勝を挙げたことも驚きでしたが、それが霞むほどの事件、奇跡と言ってよい1戦でした。その後、LowerBracketではAlexanderがiMouNdeeを下して最終的に4位まで上り詰めています。

方や、反対側の山ではACoとziLLを下したScrMzが対戦。フルセットにもつれたあとのAerowalkでの激しい接戦をACoが制し、skAvenへの挑戦権を得るのですが、この数年はUT4も含めて比較的コンスタントにプレイを続けてきたACoにとってさえskAvenの壁は厚く、ストレートで跳ね返されるどころか、RoughineryではskAven 23-0 ACoというトップ3同士の対戦としてはあまりに衝撃的なスコアまで飛び出しました。

グランドファイナルへ向かうLower Bracket最終戦は再びScrMzとACoのリベンジマッチに。ACoがIronic, Reverseと先取しScrMz万事休す。ところが続くLeaで中盤からリードを得ると、ラスト1分のACoの猛攻を紙一重で凌ぎ切り勝利。ここから驚異の粘りを発揮してAero, Rankinと3連勝を飾り、グランドファイナル進出を決めます。

ドラマチックなLB最終戦を経て、skAvenとScrMzというUT2004を代表する2人のプレイヤーの決勝戦となったわけですが、ここでもskAvenは完全に独り舞台かのようにゲームを進め2連勝、最後のLeaではScrMzが試合時間を10分以上残してギブアップし、文字通りRageQuitするというオチがつくのでした lol

skAvenの途方もない強さとScrMzの復活

6年ぶりとなる大規模なDuel大会でしたが、それほどの時間を経てもskAvenの牙城はまったく揺るぐことがなく、6年前とほとんど変わらない形で優勝を果たしました。彼のプレイを観るのも久しぶりのことでしたが、異常なほどの強さを維持しています。

skAvenは(たとえば往時のScrMzのように)派手なプレイは少ないのですが、一つ一つのプレイの正確性、精度が群を抜いています。どの武器のエイミングもとにかく優れている。LightningGunは当てたいときにきっちり当てる。MiniGunで確実に相手を追い詰める。Shieldを失ったとしても、近距離でのFlakCannonですぐに形成を逆転できる。それだけでなく局面局面の戦闘における動きの判断や、劣勢に回ったときの守り、逃げの移動もほとんどミスがありません。UT2004のDuelにおいて勝つために必要な要素を全て持っており、その上でskAvenが勝ち続けられる理由というのは、どのような状況でもこのマシーンのような正確性を100%発揮できるタフなメンタルにあるように思います。これは彼が頭角を現し始めた2006年頃からずっと持っている強みです。

ところで、準優勝したScrMzについて、個人的に大会進行中はまだ懐疑的に見ていた部分がありました。というのも、UT2004中期は間違いなく王者として君臨していたScrMzですが、6年前の10years Cupではモチベーションが低下していたのか、グループステージで敗退していたことが頭にありました。以前からモチベーションにはムラがあって、たまに大会をすっぽかすこともあったものです。だからこそ、今回ACoと互角の勝負を演じたことは、2000年代後半の時代に彼を追っていた1プレイヤーとしては嬉しい誤算でした。

東欧勢の躍進、それでも崩れぬ勢力図

6年を経ての大規模大会ということもあり、今大会は既存の強豪プレイヤーに代わるNewschoolなプレイヤーの登場が期待されました。その期待通り、TAMでOldschooler組を破って優勝したBugattiや、skAvenを相手にあまりにも大きい1勝を挙げたiMouNdee、ACoに肉薄し4位という好成績を残したAlexanderといった、6年前はまだ表舞台に現れていなかったプレイヤーたちがトッププレイヤー陣に割って入ったことは、発売から16年が経ったアリーナシューターの競技シーンとしては非常に喜ばしいことでした。

特筆すべきは、ロシアやスロベニアといった東欧のプレイヤーの活躍が目立ったことです。UTの本場といえば、古くはGitzZzやBurnie, kiLLuらを輩出したドイツ、Falcon, winzからGoHLinK, skAven, ACoまで継続して有力者が存在するフランスなどが挙げられますが、2010年代を通してUT2004のシーンを引っ張ったのは、実はロシアのコミュニティだったように思います。2009年頃から活動していたClan1minは積極的に大会を開催していましたし、その後もUT2.ruなどで小規模な大会が継続的に行われていたようです。1minのメンバーだったF51やAlterらは優れたDuelerだっただけでなく、フラグムービー製作者としても素晴らしかった。6年前の時点では彼らが「本場」のトップに食い込み、その流れのもと活発なコミュニティの中に身を置き続けたプレイヤーたちが、時間を経てOldschoolerと渡り合うまでに成長したということが言えると思います。

ただそれでも、トップオブトップの座には依然としてskAven, ScrMz, ACoという相変わらずの顔ぶれが並んでいます。6年という時間でさえも、UT2004発売後10年の時点で確定した「最終順位」を崩すには至らなかったという事実は、そのまま発売後16年のアリーナシューターとしての現実を突き付ける結果ともなりました。skAvenの手によって、すでにUT2004のDuelは限界まで突き詰められてしまっているのか?上で評したように、彼はまさしく「最高傑作」というべき存在です。彼が解答を持っていると言われれば、納得しない理由はありません。しかし一方で、それを打ち破る存在の登場もまだ諦めきることができないでいます。これこそが、2020年代においてUT2004が生きたゲームとして存在することの証左となるのではないでしょうか。一過性の復活に終わらず、Rage Quitによる継続的な大会企画に期待したいと思います。

音楽2018

このあいだ言っていた、おととしというか去年の初めに書きかけてたものちょっと修正したものです。本当は10枚ぐらいセレクトしてたんだけど…


なんかあんまり肝心なアルバムを聴いていない気もするけれど久しぶりに。

音楽2018

Fred Hersch Trio / Live in Europe (Palmetto, 2018)

アニソンとかアイドルソングばかり聴いてる自分をジャズに引き戻してくれる作品というのが定期的にあって、過去にはポール・モーシャンとか、アトミックのアルバムがそうだった。今年(2018年)の場合はそれがフレッド・ハーシュだった、という。グラミーも受賞したピアノトリオ作品。モンク、ショーターといった歴史を参照しながらもフォームは変幻自在。三者相互の意識の交換が、じつに有機的に、高いテンションを伴って行われる様が記録されていて、これがジャズとして面白くないわけがなかった。絶えず姿形を変えすべてを吸収していく一つの新しい生物のように、そのプロセスそのものこそが現代のジャズであるかのように。ジャズが謎の音楽と化した時代、ピアノトリオという形式自体がトラディショナルに感じられたりもする時代にあっての、ピアノトリオ作品の新しい指標、としたい。

Duo Gazzana / Ravel, Franck, Ligeti, Messiaen (ECM New Series, 2018)

ECMの録音に聴かれるあの深い残響。あれがお腹いっぱいに感じる時期もあったりする。のだけど、このデュオ・ガッザーナの作品集には久々に録音でやられてしまったという感があった。カルティエ=ブレッソンによるパリ・シテ島のジャケット写真(ビル・エヴァンスのThe Paris Concert 1と全く同じ引用である)に目を引かれながら再生すると、1曲目のラヴェル「遺作ソナタ」から、ほとんどオフマイクで録音されたような、空間を経由したピアノの音が聞かれて、そのままジャケットの中の朝まだき霧中の世界へ自分を連れて行ってくれるのである。ラヴェル最初期の作品でもあり、フォーマットとしてはまだ19世紀音楽ではあるが、旋律の動きや和声感覚はすでにラヴェルらしいもので、これに続くフランクの牧歌的なソナタと、鋭くアブストラクトな美しさをたたえるリゲティやメシアンの作品とを繋ぐものでもある。演奏そのものも素晴らしければ、プロデュースやエンジニアリングにもますます感服。

Rafiq Bhatia / Breaking English (Anti, 2018)

自分が音楽を聴くときに、ざっくり「好きな音楽だ」と感じるある指標として「ジャズ耳で聴ける」というのがあるのだが、それはリズムとかインプロヴィゼーションといった要素が織りなす一つのイディオムを感じられるかどうか、みたいな話である。上にも書いたように、2010年代においてジャズはほんとうによくわからない音楽になっているので、「話が通じるか」によってジャズ耳で聴けるかそうでないかを判断しているようなところがある(これは音楽そのものの良し悪しには関係はない)。

そんな2010年代も佳境に入った中での、ラフィク・バーティアのこの作品はある意味決定的だった。何が決定的なのかというと、聴いてみてもまったくジャズのように思えないのに、ジャズの語法で聴けてしまうのである。単にエレクトロニカ/ポストロック的というだけでは到底片付けることが出来ない緻密に構築されたサウンドスケープ、縦横無尽に駆け巡るビート、その根底に静かに響くノイズ、そしてカルナティック・ヴァイオリンの音色…あらゆる「情報」が去来してなお、この音楽をジャズとして理解してしまうのは、ジャズ・ギタリストが創った音楽であるという観念によってのものだろうか。むろんそれだけではないはずなのだが、結局「よくわからない」。そのわからなさがジャズを更新させていく、のかも。

あつまれ どうぶつの森を買った

去年Nintendo Switchを買ったということをちょろっと書いたのですが、その後特にやったゲームとかに書くことなく1年経っていました。相変わらずゲームはやったりやらなかったりではありますが、ご多分に漏れずどうぶつの森は買っています。

買って1ヶ月ぐらいはやっていますが、ようやく家の増築が3回目まで来たところで、島の景観とかまではぜんぜん手が回っていません。何回離島ツアーに行っても変わり映えのしない島にしか着かないのはなぜ。。。しかしまあ、DIYででもとりあえず家具を揃えて、部屋をデザインしているだけでも楽しいのは昔から変わらず。ややブラーがかった鮮やかな島の風景は任天堂というメーカーらしい手触り感で、太陽の暖かさや花々の香り・色彩が、少し島を歩くだけでも手に取るように伝わってきます。よく言われているように、今回は博物館がとても壮大な造りになっていて、魚とか虫の採集もコレクションが増えれば増えるほどモチベーションが上がるような感じ。それから、ファッションとかヘアスタイルの自由度もかなり高くなったので、毎週のように髪色を変えるアイドルの気分も味わっています()

どうぶつの森というシリーズについては僕はけっこう古い部類のファンで、最初にプレイしたのは2001年のGC版、どうぶつの森+です。何がきっかけで買ったのかは今ひとつ思い出せないのですが、村の構造と部屋のレイアウトは今でも覚えているレベルでプレイしました。当時からこのシリーズはジャンルをコミュニケーションゲームと言っていて、それは村の住人とのやり取りに始まって、現実で生活を共にする人、あるいは違う村に居を構える友人たちとの、現実世界とはちょっと違った形のコミュニケーションの方法までをすでに意味していたと思います。村の住人に手紙を出して、それが返ってくるだけでも今までにない面白さがありました。メモリーカード2枚挿しでのおでかけはハードルが高くはありましたが、自分の村とはまったく違う風景と住民との出会いに心躍ったものです。

で、ここから本題なんですけど、あつまれ どうぶつの森で他の島におでかけをさせてもらって遊んでいたら、あまりにもお手軽にスムーズに色んな交流ができるのでびっくり。なんというかもはや、軽く人と会って小一時間でも会話していたような感覚です。島を案内してもらいながら所々の遊び心に触れて写真とか撮ったり。チャットも携帯から飛ばせるし、多分VC繋いでやる人もいるのかな。StayHome期間の中でこのゲームがかなり浸透している所以はこのハードルの低さと、ビデオ通話なんかとはまた別の密なコミュニケーションが体験できることにあるということがわかります。それと同時に、このゲームがずっと言っているコミュニケーションゲームというジャンル名が20年近く越しぐらいにとーっても腑に落ちたというか。人連れてこれるぐらいにはもうちょい島を開発しないと。。。