Ryzenマシンを組む

給付金ビッグウェーブ等々いろいろとタイミングも重なったので、後回しにし続けていたメインPCの新調をついに決行しました。

現行のPCはもともとその前のシステムが動かなくなったのを応急処置的に中身をとっかえひっかえして動くようにしたというもの (12000円しかかかってない) だったので、長く使うつもりはさらさらなかったのですが、結局6年も使っていました。まあ組んだときにそんな予感はしてた。今やiPad Proがあるので、諸々の作業はそっちでやってしまっていて、 PCが無くても生活できる状態ではあるのですが、パフォーマンスの劣化がさすがに限界なのと、前の前のPCから14年間システムディスクとして流用し続けているHDDなど、さすがに使い続けるのも危険な域に達していたので、このタイミングで新規にPCを組むことになった感じです。買うの決めて2, 3時間で一式ポチってた。6年前はケースとかHDDは流用していたので、新規で組むのは12年ぶりらしい。次は絶対BTOで買おうと思ってたけれど、結局PCの買い方をこれしか知らないんだよね…

今回は流行に乗ってRyzen7 3700Xにしたので、個人的には初めてAMDのシステムでPCを組むことになりました。AMDマシンを使うのすら、大昔に父親が組んでくれて家族で使っていたK6-2マシン以来な気がします。ソケットにカバーがなくて、固定されてるのか不安になりながら作業していたわけですが、案の定しっかり固定できてなくて電源が入らず、 だいたい組み上げたのをバラして取り付けし直したり。原因わかるまで8時間ぐらい使った()それ以外は2.5インチSSDの取付とか、光らせる系のLEDのコネクタに戸惑いつつではあったものの、概ねスムーズにいきました。今回はケースをLANCOOL IIというあちこちパカパカ開閉できるものにしたので、作業自体はとてもやりやすかったです。OSもAmazonでコードだけ買って起動ディスク使ってインストールという感じ。20年近く自作やっているけれど、時代が変わったと感じる部分が今まで一番多かった。。。

諸々インストールも終わって、データもだいたいクラウドにあって移行にも時間がかからず、金曜の夜に組み始めて土曜の夜には使えるようになってましたかね。パフォーマンスは当然ながら良いです。今まで起動に10分以上かかっていたのはなんだったのか…。元はといえばOSをWindows7にしたあたりからPCの動作にストレスを感じない日がなかったので、ほぼ10年ぶりの「PCを普通に使っている」感()そういうのを抜きにしても、今までコストパフォーマンス重視で中の中ぐらいのグレードでPCを組んでいたのが、まあまあ上の下ぐらいにはなったので、比べ物にならないくらい色々なことができるのにも感動してます。今時のゲームもすぐ起動して動作も楽だし、わりかし高画質で配信しててもプレイに影響ないぐらい。

というわけで早速、かなーり久しぶりにUT2004を配信プレイしてみたりしてました。昔UstreamでFME経由でやってたときは面倒くさい設定を色々してた気がするけれど、OBSだとTwitchログインしたら一瞬で設定終わってあまりにも楽すぎた。そんな感じで、EUサーバーでTAMしたりNAサーバーでFreonしたり、自分でサーバー建ててnoozooさんとRAしたり。配信しながらでもほぼ問題ないんですが、マップも軽くてラグもないはずの自鯖RAがなぜか一番重く感じたので原因を調査中。。。そんなこんなして試してたら2k4が面白くなっちゃって、とりあえず人いるサーバー入っては配信してるという。本当はApexとかValorantとかやる予定だったのに()国内でチーム戦やりたいわねえ。

そういえばですが、この間のUT記事は意外とUTプレイヤー以外の人たちに見てもらえてありがたかったです。書いてよかった。

Category: PC

ロンドンナショナルギャラリー展に行った

だいぶ久しぶりに国立西洋美術館へ。

まいど美術展には行こうと思いつつ結局行けてないことが多いのですが、今回は読売中高生新聞の企画でマイ推しメンがこの展覧会を取材していて、自分の配信でも相当お勧めしていたのが一つ。それだけではなくて、今回の展示の目玉のファン・ゴッホの《ひまわり》を見たかったというのがもう一つ。

というのも、20年ぐらい前にアムステルダムのファン・ゴッホ・ミュージアムで《ひまわり》を見たことがあるんですよ。その記憶があったので、今回ロンドンのナショナルギャラリーから来るというのを聞いて「あの時に見たのは???」となった。調べたら全部で7点あるというのを20年越しに知った次第です(美術史に明るくなさすぎる)。そんな感じでがぜん興味が湧いてきたのもあって、勢いでチケット取っちゃった。

構成としてはルネサンス期から印象主義までのヨーロッパ各地での西洋絵画の潮流を追っていくというもので、イギリスからの視点を軸に、というのが一つのテーマ。入場してさっそく、推しメンが何度も「描き込みがすごい!」と言っていたクリヴェッリの《聖エミディウスを伴う受胎告知》がある。初っ端からこの美術展の中ではもっとも巨大な作品で、目の前にすると強烈なパースペクティブが感じられます。さらに近づいてみると、推しメンの言うとおり、細かな装飾のディテールがみるみる浮かび上がってくる。この時期の宗教画らしい、リアリティとアンリアリティの狭間の別世界。

それにしても、去年上野の森美術館でフェルメール展を見た(これまた記事にしてない)ときも思ったけれど、17世紀のオランダ絵画の厳然としたスタティックさは毎回目を瞠ってしまいます。静物画でも風景画でも肖像画でも、空間を標本にしたかのような世界が、カンバスを通して音を立てずに、しかしくっきりと立ち現れる。こういう感覚は美術館に来たなぁ、という感じがする笑 それに対して、同時期のスペイン絵画の表情の豊かさよ。今にも動き出しそうな、活き活きとした躍動感にとても親しみが持てます。時代の人々の生活、そこにある時間の流れを巧みに切り取った作品群。

ラストは19世紀印象主義ーポスト印象主義絵画なんですけど、この美術展で一番印象に残ったのがセザンヌの《プロヴァンスの丘》です。後期のセザンヌがここまで画風を変化させていたというのを知らなかっただけなのですが、それを置いておいたとしてもとても面白い。遠くに伸びる丘の風景やそれを彩る木々、岩肌が絶妙にディフォルメされることで、かえって目に見える情報は整然と(展示内の言葉を借りれば「幾何学的に」)なり、代わって光や温度、匂いといった要素が手に取るように感じられる…。19世紀絵画とキュビズムを繋ぐ、クラシック音楽で言ったらエリック・サティみたいな立ち位置が好きですね。もちろん、ルノワールやモネのザ・印象主義な作品群も素晴らしい。

その奥に待っているのがファン・ゴッホの《ひまわり》。昔は子どもながらに変哲もない静物画としか思っていなかったけれど…目の前にして受ける印象は、(厳密には異なる作品としても)20年前に見たときとはだいぶ違っている。セザンヌの作品でも感じた南フランスのからっとした眩しい陽光を想起させるような黄色の世界がとにかく美しい。間近で見ると、ファン・ゴッホによる重厚な塗りの筆致が迫力を感じさせます。何時間でも見ていられそうな、非常に複雑なニュアンスを含んだ黄色です。全然見飽きないのだけど、入場回が一番最後だったので、残念ながら閉館時間で退出。

《ひまわり》以外は小粒な作品が多いのかな、とも思ったのですが、そういう作品にも想像力を掻き立てられたり、西洋絵画のイギリスにおける受容史という面でも、時代を追いながら分かりやすく理解していける構成で、興味の尽きない美術展でした。久しぶりに家から出て楽しかった!()

UT2004 Rage Quit Quarantine Cup

今年に入って、RageQuitというコミュニティで大規模なUT2004の大会が続けて行われていて、久しぶりにUT2004界隈に活気が戻っています。Quarantine Cup(すなわち「隔離杯」)と題して、まず3v3 Team Arena Masterの大会に28チームが参加。続いて、花形種目である1v1 Duelの形式も58人が参加しました。

6年ぶりのメジャー大会

自分の知る限りでは、UT2004におけるDuelの大会でここまで大きな規模のものが開催されたのは、UTコミュニティcluex.orgの10years of UT2004 Duel Cup(2014年)以来です。Duel、EU地域に限らなくても、2015年にOwnedwellがホストとなりNA地域で開催されたTAMリーグがほとんど最後の大会だったように思います。2017年頃にcluex.orgが復活して大会案を企画していましたが、結局実際には開催されませんでした。今回はEU各国の外出禁止措置の影響でみんなが暇を持て余していたこともあって、多くのプレイヤーが集まり且つ棄権する選手も少なく、安定した運営のもと6年のブランクを埋めるに十分な非常に充実した大会となりました。

今回の大会の最大のトピックといえば、往年の有力プレイヤーが多く参加したことでしょう。その中でも、UT2004が生んだ最高傑作といえるモンスター🇫🇷skAvenの本格的なカムバックは一大事件でした。彼は前述の10 years of UT2004を圧倒的な強さで制した、UT2004の「最終的な覇者」です。その後、短期間UT4もプレイしていたのですが、本格的に参入することなくフェードアウトしていました。ここ数年は過去のプレイ動画をYouTubeにアップしているぐらいだったのですが、昨年謎のティザー動画をアップしており、そこでの宣言通りの復帰となりました。

3v3 TAM Quarantine Cup

まず先行して行われた3v3のTAMトーナメントでは、skAvenが旧知の🇫🇷ACo、🇨🇭ziLLのフランスチームで参加。3人が3人ともClanBaseやcluex.orgのコンペティションではPremierクラスや1st DivisionとしてランクされていたDuelマスターでもあり、地力で言ってしまえば勝負する前から大会の結果が分かりそうなほどの反則級のドリームチーム。大方の予想通り、落としたのは1ゲームのみという破竹の勢いでWinnerBracket決勝まで勝ち進みます。

ところが、🇷🇺Bugatti, 🇷🇺small, 🇷🇺Vernonのロシア3人組がこのチームを相手にWinnerBracket決勝、グランドファイナルと続けて勝利し優勝を果たすというサプライズが起こります。2回当たって2回勝っているので、決してフロックではありません。試合を見てみると、フランス組はRankinやCampgroundといったOldschoolなマップでは力を発揮しているのですが、逆にCheopsやUnderといったTAM定番のマップでは水を開けられています。TAMでもTDMでもプレイされるGooseは2戦とも接戦となりましたが、熾烈なシーソーゲームの中でこれをものにしたのが結果的にはBugattiらの勝因と言えるでしょう。これらのマップを熟知し、さらにTAMならではのチームワークを活かした見事な優勝でした。

King of Quarantine 1v1 Cup

そして、本命のDuelトーナメント。前述のプレイヤーたちに加えて、🇮🇹stab1lo、🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿dylan、🇵🇱bezi、🇫🇷zelvzz、🇩🇪aiMzといったおなじみのメンバーも顔を揃えました。そして、UT2004中期以降多くのプレイヤーに影響を与えUT2004Duelの時代を切り拓いてきた🇳🇱ScrMzも満を持してカムバック。彼の場合は昨年の後半からUT4のUTProLeagueにも参加していたので、UT2004でのこのような大会は待ち望んでいたところでしょう。

上記のDuel常連勢がグループステージからプレーオフ序盤を勝ち抜いていく中で、大本命であるskAvenとACoの2強、これにziLLや復帰したScrMzがどう対抗していくか、あるいは新勢力の台頭があるのかが焦点となりました。

こうした中で、skAvenはdylan(UT4では一時期mouz所属のプロとして活動)やTAM大会では敗れていたBugattiを向こうに回して難なく勝ち進みます。6年前にも見た圧倒的な強さは全く衰えていません。このまま10years Cupに続くストレート優勝かと思われた矢先のWinnerBracket準決勝に今大会最大のサプライズ。🇸🇮iMouNdeeがIronicでの接戦の末、skAvenから1勝をもぎ取ったのです。skAvenがUT2004のDuelで1敗したのは、少なくとも今回のような大会では記憶にある限りこの10年で1度しかありません(2013年 cluex.orgのziLL戦)。準々決勝ではUS東海岸から参加した🇺🇸Alexanderが敗退はしたもののACoから1勝を挙げたことも驚きでしたが、それが霞むほどの事件、奇跡と言ってよい1戦でした。その後、LowerBracketではAlexanderがiMouNdeeを下して最終的に4位まで上り詰めています。

方や、反対側の山ではACoとziLLを下したScrMzが対戦。フルセットにもつれたあとのAerowalkでの激しい接戦をACoが制し、skAvenへの挑戦権を得るのですが、この数年はUT4も含めて比較的コンスタントにプレイを続けてきたACoにとってさえskAvenの壁は厚く、ストレートで跳ね返されるどころか、RoughineryではskAven 23-0 ACoというトップ3同士の対戦としてはあまりに衝撃的なスコアまで飛び出しました。

グランドファイナルへ向かうLower Bracket最終戦は再びScrMzとACoのリベンジマッチに。ACoがIronic, Reverseと先取しScrMz万事休す。ところが続くLeaで中盤からリードを得ると、ラスト1分のACoの猛攻を紙一重で凌ぎ切り勝利。ここから驚異の粘りを発揮してAero, Rankinと3連勝を飾り、グランドファイナル進出を決めます。

ドラマチックなLB最終戦を経て、skAvenとScrMzというUT2004を代表する2人のプレイヤーの決勝戦となったわけですが、ここでもskAvenは完全に独り舞台かのようにゲームを進め2連勝、最後のLeaではScrMzが試合時間を10分以上残してギブアップし、文字通りRageQuitするというオチがつくのでした lol

skAvenの途方もない強さとScrMzの復活

6年ぶりとなる大規模なDuel大会でしたが、それほどの時間を経てもskAvenの牙城はまったく揺るぐことがなく、6年前とほとんど変わらない形で優勝を果たしました。彼のプレイを観るのも久しぶりのことでしたが、異常なほどの強さを維持しています。

skAvenは(たとえば往時のScrMzのように)派手なプレイは少ないのですが、一つ一つのプレイの正確性、精度が群を抜いています。どの武器のエイミングもとにかく優れている。LightningGunは当てたいときにきっちり当てる。MiniGunで確実に相手を追い詰める。Shieldを失ったとしても、近距離でのFlakCannonですぐに形成を逆転できる。それだけでなく局面局面の戦闘における動きの判断や、劣勢に回ったときの守り、逃げの移動もほとんどミスがありません。UT2004のDuelにおいて勝つために必要な要素を全て持っており、その上でskAvenが勝ち続けられる理由というのは、どのような状況でもこのマシーンのような正確性を100%発揮できるタフなメンタルにあるように思います。これは彼が頭角を現し始めた2006年頃からずっと持っている強みです。

ところで、準優勝したScrMzについて、個人的に大会進行中はまだ懐疑的に見ていた部分がありました。というのも、UT2004中期は間違いなく王者として君臨していたScrMzですが、6年前の10years Cupではモチベーションが低下していたのか、グループステージで敗退していたことが頭にありました。以前からモチベーションにはムラがあって、たまに大会をすっぽかすこともあったものです。だからこそ、今回ACoと互角の勝負を演じたことは、2000年代後半の時代に彼を追っていた1プレイヤーとしては嬉しい誤算でした。

東欧勢の躍進、それでも崩れぬ勢力図

6年を経ての大規模大会ということもあり、今大会は既存の強豪プレイヤーに代わるNewschoolなプレイヤーの登場が期待されました。その期待通り、TAMでOldschooler組を破って優勝したBugattiや、skAvenを相手にあまりにも大きい1勝を挙げたiMouNdee、ACoに肉薄し4位という好成績を残したAlexanderといった、6年前はまだ表舞台に現れていなかったプレイヤーたちがトッププレイヤー陣に割って入ったことは、発売から16年が経ったアリーナシューターの競技シーンとしては非常に喜ばしいことでした。

特筆すべきは、ロシアやスロベニアといった東欧のプレイヤーの活躍が目立ったことです。UTの本場といえば、古くはGitzZzやBurnie, kiLLuらを輩出したドイツ、Falcon, winzからGoHLinK, skAven, ACoまで継続して有力者が存在するフランスなどが挙げられますが、2010年代を通してUT2004のシーンを引っ張ったのは、実はロシアのコミュニティだったように思います。2009年頃から活動していたClan1minは積極的に大会を開催していましたし、その後もUT2.ruなどで小規模な大会が継続的に行われていたようです。1minのメンバーだったF51やAlterらは優れたDuelerだっただけでなく、フラグムービー製作者としても素晴らしかった。6年前の時点では彼らが「本場」のトップに食い込み、その流れのもと活発なコミュニティの中に身を置き続けたプレイヤーたちが、時間を経てOldschoolerと渡り合うまでに成長したということが言えると思います。

ただそれでも、トップオブトップの座には依然としてskAven, ScrMz, ACoという相変わらずの顔ぶれが並んでいます。6年という時間でさえも、UT2004発売後10年の時点で確定した「最終順位」を崩すには至らなかったという事実は、そのまま発売後16年のアリーナシューターとしての現実を突き付ける結果ともなりました。skAvenの手によって、すでにUT2004のDuelは限界まで突き詰められてしまっているのか?上で評したように、彼はまさしく「最高傑作」というべき存在です。彼が解答を持っていると言われれば、納得しない理由はありません。しかし一方で、それを打ち破る存在の登場もまだ諦めきることができないでいます。これこそが、2020年代においてUT2004が生きたゲームとして存在することの証左となるのではないでしょうか。一過性の復活に終わらず、Rage Quitによる継続的な大会企画に期待したいと思います。