「僕の太陽」公演 黒須遥香 壮行会 2024/5/31

前回の公演に入ってから約2ヶ月間全く劇場公演が当選せず過去最高に不安でしたが当選しました。生誕祭と卒業公演しか当選しない説がある。ビンゴは11巡でセンブロ立ち2列目上手柱1だったけど半端な立ち回りになってしまった感。まあ彼方を立てれば此方が立たずなのがAKB48劇場なので。

前も書いたけど僕の中では僕太といえばはーちゃんみたいなとこがあるので、ラスト僕太で見られるのはほんとよかった。この日のポニーテールの髪型もこの公演の衣装にぴったり。あらためて見ていても、始まりから終わりまで公演のストーリーに寄り添った立ち居振る舞いがあまりにも好き。序盤で明るく爽やかな風が吹き抜けて、中盤で熱情を迸らせて、アンコールは100点満点のアイドル。以前、はーちゃんを「ごく自然にその曲の主人公として振る舞う大胆さがある」みたいに書いたのですが、これは本当にはーちゃんが持っている最高の能力。最初にパジャドラを見た時も手つなを見た時もそうだったし、オンデマで夢死なを見た時もそう思ったし、このラストの僕太でもそうだった。この日いた位置は完全に「僕の太陽」狙いで、そこにもはーちゃんとの思い出があるし、絶対指差しもらいたいと思っていたので、2サビで来て嬉しかったな。。。

この日は16期6人いたので、というか最近見る公演はだいたいそんな感じはしますが、やっぱり雰囲気は好きだなあという感じ。くるみちゃんがめちゃくちゃ可愛い髪型をしてて「竹内先輩」でレスくれたので幸となってました。あとはやっぱ、今の彩海ちゃんは今までにないくらい華があるなあと。ルックスは昔から華やかなんだけどステージ上でのアイドルオーラがめちゃくちゃあるなという感じ。高嶺の花っぽさもあるんだけど、彩海ちゃんの場合向こうからぐいぐい来てくれるのがいいよね。

そんな壮行会ではありつつ、やっぱいま自分の中で美波ちゃんの存在が大きくて、いつも美波ちゃんがどこにいるか気にしてる自分がいましたね。もっと近くで見たいけどもうチャンスが少ない……

壮行会はずきちゃんとなるたお、それから急遽ゲストで彩音ちゃんが登場したんだけど、はーちゃんが配信で「気づいたらもう彩音ちゃんと出る公演がない!」と言ってたので本当によかった。自分的にもこの半年ちょっとはこの2人にずいぶん楽しませてもらったことだし。1曲目ははーちゃんのソロで「サヨナラで終わるわけじゃない」。はーちゃんが麻友さん!というのは結構聞いてきたし、ぐっとくる選曲。何よりやっぱはーちゃんのソロの歌ってめちゃくちゃ良い。音の高さにそれぞれ色があって、それが混ざり合ってはーちゃんの歌声になっている感じがする。2曲目はずんちゃんも登場しての「抱きつこうか?」。人数は少なくなってしまったけど、やっぱこれだよね。この曲は今は間奏のダンスがはーちゃんがソロになるし、大サビの集合もはーちゃんがセンターに来るので、それもめちゃくちゃ今日のこの日にぴったりだった。大サビは何ヶ月か前は一番近くで聴いてたなあとか思いながら16期コール。

はーちゃんのメッセージもよかったなー。本人は「ファンの方に可愛いことも言ったりもできなかったですけど…」とは言ってたけど、いつも自然体なのがはーちゃんの魅力だと思う。だから受験挑戦も浪人も大学の両立もがんばるし今のこの選択もあるだろうなと思える。それでいてファンともちゃんと向き合えるしね。僕も最初の受験から大学卒業まで見てきて、単にアイドルの数年を見てきた以上のものを見せてもらってた感覚がする。

はーちゃんが「”あなた”を自分に置き換えて聴いてください」と言って始まった最後の曲は「アリガトウ」。これは……思い出がありすぎる曲。美波ちゃんとくるみちゃんの姿を見てても。この劇場で何度も聴いていたときとシチュエーションは違うかもしれないけれど、伝えたいメッセージは通底しているなと。そう感じた瞬間から涙が止まらんかった。間奏で「大好きです!」とだけ告げたのもはーちゃんらしかった。

何度も書いていますが、はーちゃんは劇場でのパフォーマンスがとにかく好きでした。好きだと言うわりに劇場ではーちゃんと会ったのはこの日で21回。その時その時の判断はありはしたけれど、正直もっと会いたかった。

何より初めて劇場で会ったのが忘れもしない2019年5月13日のパジャマドライブ公演で、この日のステージ上で彼女は正規メンバーへの昇格を言い渡されたのでした。この日からもう彼女のパフォーマンスはずば抜けて印象的で、途中からはーちゃんしか見ていなかったほど。そこから昇格発表だったので、いまだにAKBおたくをやってきた中で忘れられない瞬間の一つです。そのあと再販で8月の握手会の券を取ったんだけど個人的な事情で行けなくて、これ行けてたらはーちゃんを推してた未来もあったのかもしれない。

それから手をつなぎながら公演や僕の夏が始まる公演、香織ちゃんとやっていた何回だって恋をする公演でも楽しませてくれて、サムネイル公演が一度も見られなかったことは唯一悔いが残るところなのですが、チーム公演が終わってからは僕の太陽公演でめちゃくちゃ楽しませてもらって、その中で顔も名前も覚えてもらったのも嬉しかったですね。名前を覚えてもらったのはMVPを使ったときのことがあったとしても、それを1ヶ月ぐらい後の握手会で向こうから言ってくれるのにびっくりして。はーちゃんはそういうことができる子なんだよね。すごく衝撃的で鮮烈な最初の出会いから時間はかかったけど、最終的にそんな関係性になれたことがとてもよかった。最終的にと言ったってまだアイドル人生は続くわけで、クアラルンプールにはどこかのタイミングで赴きたいと思っています。はーちゃんのKLP48での活躍を祈るばかりです。

握手会の休日

5/25と26の日記。久しぶりにAKB握手会に2日間参加でした。劇場は2ヶ月ぐらい入れてないままシングルのラスト握手会まで来てるわけですが、前の日にオンデマでずんちゃんの壮行会見ててAKB最高!!となってしまってたのでめちゃくちゃ楽しかった(限界アケカス)。てことで1日目はだいたい誰恋公演の話してた。入れてないのにね。

この日のメインは2日目で、美波ちゃんとラスト握手。枚数は少なかったけど、おたく人生の中でめちゃくちゃ印象に残る握手だった……。まあ僕はもう誰か一人を推すとかそういうのはいいなと思ってて、だから枚数も少ないんですが、予想通りというか予想以上にこの4ヶ月間は美波ちゃんのことを気持ち的にめちゃくちゃ近く感じてたんよね。なんとも表現しにくいけど、これはもう推しだよねっていう。

なのでそれを伝えたんですけど、そうしたら急に美波ちゃんに関するいろんな記憶が溢れ出てきて、初めてアイドルと握手してる間に泣いた(笑)たくさん思い出あるけど、そのわりに応援してあげられた時間が少なかったけど、それでも今までAKBにいてくれてありがとうしかないなと思い。美波ちゃんがティッシュ用意してくれてたから普通にお世話になってしまった。なーみんと話してる時間は安心感とか落ち着けるものがいつもあって、それは最後までなかったんだけど。

最後に券出したときに美波ちゃんが「みなみのところに来てくれると思ってなかった。なーみんと180度違うのに…」と言ってて、それに自分が答えたら、自分がこれまで人に直接言われたことないような言葉で僕のことを「ほんとうに◯◯な人」って言ってくれたんすよね。別の第三者に言うか文章で書くならまだしも、ふつう面と向かって言わないような綺麗な言葉をすっと言ってくれて。自然にそう言える美波ちゃんにこそその言葉を返したい気持ち。ありがとうとしか言えなかったけれど、その言葉を思い出してセレモニー待ってる間ひとりでほろ泣きしてた。

セレモニーはしばらく待ってたらいつの間にか最前に見てた。セレモニーのあともチュロスのキッチンカーのとこ来てくれたり。一日美波ちゃんと同じ空間にはいれて良い一日だった。

ちなみにセレモニーはずんちゃんのとはーちゃんのも参加しました。セレモニーのたびに16期最高の気持ちになってた。そう考えると、美波ちゃんとはーちゃんがいなくなったらもう名前で覚えてくれてるメンバーはAKBにはいなくなることに。寂しいけどそれもいいかなと。2人が頭の片隅ででも自分のことを覚えててくれたら。

Ryuichi Sakamoto : Opusを見た

109シネマズプレミアムでRyuichi Sakamoto : Opusを見てきました。ここではしばらく前から先行上映をやっていたのですが、見たのは正式な封切り(って今言う?)のあとです。

始まってすぐに、椅子に腰を下ろしてピアノに向かう小さな背中が見えます。まず耳に残るのはピアノの音ではなく、その背中の息遣い。その時点では表情はうかがい知ることはできないのだけど、その内側には炎がたしかに燃えている。坂本龍一がまだそこに生きていると確かに感じられて、そこで一気にモノクロのスタジオの世界に引き込まれていくような、そんな冒頭のカットが印象的でした。

作品を通してテンポをぐっと落として、一見して楽曲は静かに穏やかに繋がっていくのですが、その一音一音に込められたものはあまりにも重たい。一回の打鍵のために、想像もつかないほどのエネルギーを燃やしています。自ら生み出した音を受け止めていくような教授の表情から垣間見えるのは壮絶な苦闘。そこで燃えている炎がとても小さな灯火であることに気付かされます。

しかしそんなプロセスを経て表象されるピアニズムが、皮肉なほどに美しい。煌めく音の粒立ち、豊かな低音の鳴り、味わい深い倍音のゆらぎ…かすかな音量で収められた打鍵音、呼吸音とともに伝わる繊細なタッチが、数々の楽曲の深みをこれまでにないほどに引き出しています。

一つ書いておきたいのはセットリストの中盤、愛娘に捧げられたバラードAquaについて。トライアドコードを中心に進行する、教授の曲としてはとてもシンプルな響きとメロディ。モノクロの世界に差し込んだ明かりがこれまでの苦闘をひとときでも癒すようで、ピアノに触れる時間を慈しむように弾く教授を見ながら涙を抑えられなかった。

世を去る数日前に東北ユースオーケストラの演奏と吉永小百合の朗読を聞いて、「これはやばい」と呟いて涙を流す教授の姿がテレビで放映されていましたが、まさにそんな気持ちでした。蓋しこの曲の最後の名演と言ってよいでしょう。

それだけでなく、このコンサート映画における多くの演奏が、坂本龍一の楽曲の自作自演のピアノ演奏として決定的なものです。ぜひアルバムとしてもリリースしてほしいと切に思います。

エンディングで流れるOpus、ひとりでに音を奏でるピアノ……教授の人生の最期を飾ったArs longa vita brevisの言葉で作品は締めくくられます。彼の姿はもう見えないけれど、ふしぎと彼の不在は感じません。音楽はここに流れ続けている。示唆的な余韻に満ちたラストシーンが、自分の中でとても好きになれたのでした。

僕はつい最近まで、長いあいだ教授の特別なファンというほどではなかったのですが、当然常に動向は気になるミュージシャンでした。最初に聴いたのは2005年か2006年ぐらいにNHKで放送されていたライブ映像で、高校に上がってからちょうどYMOのアルバムのリマスター版が出て、友達からBGMのCDを借りたり。Eテレでやっていた「スコラ」も見てました。世代的には初めてリアルタイムで聴いたアルバムはOut of Noiseだったこともあって、僕の中では教授はミニマリズムとかエレクトロニクス、音響的なミュージシャンであり続けていたなあと思います。

それが変わったのが自分でピアノを弾くようになったここ2、3年で、それからは様々な曲と演奏を参照しましたね。そんなことを経ての教授の最後の作品がこのピアノコンサート映画というのも、自分的には感じ入るものがあったのでした。