やっとこぎつけたコンサート。開催できたという意味でもそうだし個人的にも。ド新規ファンなので、AKB48の大箱単独コンサートという括りでいうと行くのが初めてなんですよ。遡ること10年前、2011年3月25日から横浜アリーナで行われる予定の「たかみなについて行きます」というAKB48のコンサートがあって、わたしは3デイズの初日のチケットを持っていた…はずだったのですが、大震災で開催自体中止になり、代わりに節電しながらの募金会が行われたということがありました。その後、TDCでやっていた劇場公演のリバイバルコンサートはいくつか行ったものの、単独コンは行かないままフェードアウトしてしまい、次に興味が出てきたタイミングで行こうかなと考えたのが2017年10月のまゆゆ卒コンでしたが、当時は平日のライブに行くのが困難すぎて諦め、本格的にAKBのファンになってからもチケット応募を忘れたり普通に落選したりということがあり、今回に至る。まあいろいろあったわけです。というわけで3公演参加しました。
峯岸みなみ卒業コンサート 〜桜の咲かない春はない〜
この卒コンに関しては1期生が続々と出てきて昔の曲をやるのだろうなあ、ぐらいに思っていて、まあその認識でも間違ってはいなかったのですが、想像していた何倍も何十倍もすごいコンサートでした。
初っ端の初代峯岸チーム4再結成に始まり、ノースリーブスはもちろん、SONEみたいな小ネタ(小かはともかく)までも回収しきって、なおも続く怒涛の初期メン攻勢。「RIVER」における高橋みなみの号令には感動してしまいましたし、「ヘビーローテーション」での大島優子のパフォーマンスは役者が違いすぎました。今と昔でいえば今のAKB48のほうが圧倒的に好きなわたしでさえ「これが本物」と思わざるを得ないものを見せつけられてしまいましたね。10年前には自分が結局目の当りにすることがなかった、AKB48の並外れたパワーと勢いがそこに再現されていました。
とはいえそれだけではなくて、「渚のCHERRY」や「制服が邪魔をする」をはじめとする中盤のユニットなんかを見ていると、現役メン一人ひとりにしっかり目を向けているんだなあと思えて、やっぱりみぃちゃんってそういうところで信頼できるのですよね。今のグループと絢爛たる歴史との融合を図りながらこの15年を総括してみせるという、峯岸みなみにしかできない卒コンでした。みぃちゃんが自分の15年を総括したら、そのままAKB48の15年の総括になってしまうんですよね。数奇な運命に導かれて過去と未来をつないだThe Chosen one…このグループの最重要人物はみぃちゃんだったのだなあと。アンコール、1期生が勢揃いしての「桜の花びらたち」は、そのあまりに重厚な歴史の凄みを前にしてただただ茫然とせざるを得ず。最後の鐘の音とともに一つの時代が終わったことがはっきりとわかりました。
個人的なポイントでいうと、三銃士がセンターを務める「LOVE修行」を聴けたことが嬉しかったです。小嶋真子ちゃんの卒業セレモニーをやった春フェスでも3人揃っていたのですけど、この時は「清純フィロソフィー」だけだったので。2年ぶりに見た真子ちゃんは今すぐにでも選抜に入れそうなぐらい可愛かった…。チームYJによる「Choose me!」も感動もので、この曲のヒリヒリした痛みを伴う切なさを表現できるのは北原里英しかいないのだなあと思ってしまった。上に書いたような本物感をいちばん感じたのは実はこの曲です。
みぃちゃんについて。ド新規の自分がパフォーマンスをじっくり見れたのはRESET公演で2回と、コンサートや全握でいくつかという程度でした。ただ、劇場の中で見た2回以上に印象深いのは、彼女の劇場出演1000回目の公演をロビ観したときのことです。オンデマのカメラは生誕祭以上の超推しカメラになっていて、時に華麗で時に泥臭くもある自在な表現力に感動しきりな中で、アンコール後にあった1000回公演にあたってのスピーチで彼女が見せた涙と、センター曲「伝説の魚」のパフォーマンスが忘れられず。そういうこともあって、「伝説の魚」は卒コンでどうしても聴きたかったのですね。本当に本当に、こんなにすごいアイドルのコンサートがあるのかと衝撃を受けてしまったコンサート。最初にみーおんが言ったように、歴史に残る一日だったのだろうなと思います。
AKB48チーム8 全国ツアー ~47の素敵な街へ~ファイナル
神奈川県公演 『真っ青な空を見上げて』
2日目昼からはチーム8のファイナル公演。これも1年越し。わたし自身はチーム8のツアーに参加し始めたのはここ2年ぐらいの話で、行った公演にしても大阪、広島、徳島、愛媛、佐賀、茨城ぐらい。ファイナルという重みを全部感じられるかどうかというと正直微妙なところではあるので、どちらかといえば小田えりなちゃんの晴れ舞台の神奈川県公演として楽しむのが主だったような気はします。
そういう意味でいうと、前座の小田えりなソロステージからすでにハイライト。「暗闇」は今まで聴いたどの「暗闇」よりも素晴らしかったです。えりちゃんの歌の、息の詰まるぐらいの切実さがこの曲のイメージそのものでした。これが聴けただけでも来た価値がある。「負けないで」とか唐突なカバー曲でしたけど、このあとの自分たちに向けての歌なのかなーと考えると泣けてくるものがあります。
本編に入っても、セットリストの端々に小田えりな色が強く感じられてとても楽しめました。えりちゃんは普段から自分が好きな曲について話すことが多いので、そういう意味ではおおかた予想できるのですけど、予想していた通りのことが1年越しに現実になっていると思うとそれもそれでえもい。「涙の湘南」とか、完全にメンバーがえりちゃんのオキニで揃えてあって笑っちゃいましたけど、そういうところでも色が濃い。小田えりなコールができないのがもどかしい限り。
相変わらずステージ上の人数は多く、推しメンすら十分に追えた自信が正直ありませんが、いわゆる19年組のメンバーのパフォーマンスをまとまって確認できたのは嬉しかったですね。加入してから1年半、パフォーマンスする場も滅多になく、そのあいだに人数も半分まで減って非常に危うい立場にいましたが、彼女たちこそ、このファイナルの場から改めて始めていってほしいなという思いです。あと、久しぶりに見たハーフツインのpyonちゃんが相変わらず可愛かったです、はい。
この公演の中での白眉はアンコールじゃないでしょうか。1曲目の「長い光」、アンコール明けの井上ヨシマサさんのピアノによる導入という演出だけで優勝ですが、いつも大好きと言っているこの曲を歌っているえりちゃんがとても輝いていました。きっとこの舞台で歌うことを何年も前から想像していたんだろうなあということがはっきりと感じられた、心に残る歌でした。加えてオーラスの「約束よ」は、色々あったこの1年ほどのもやもやを消し去ってくれる、ツアーファイナルにこれ以上ないメッセージ。果たして約束が果たされるかは神のみぞ知るところですが、肝心なのは約束の届け方ということで。
次はとりあえずエイトの日も決まり、マジムリ舞台も含めて色々展開はあるということで一安心。卒業だの解散だのネガティブなことも予想されがちだったファイナルで、とても明るく終われたのが良かったなーと思いますね。えりちゃんにありがとうです。
AKB48単独コンサート〜好きならば好きだと言おう〜
これが待ちに待った本当の意味での単独コン。このコンサートは柏木さんがプロデュースするということで、柏木さんのことはアイドルパフォーマーとしてリスペクトしていますし、彼女がプロデュースした2公演はどちらも好きなんですよ。そういうわけで楽しみにしていたのですが、まあ結論から言って想像以上のコンサートでした。
もうだいぶプロデューサー本人の口から語られてしまったのでいまさら言うことは少ないのですが、いちメンバーとしての目線とアイドルおたく的な目線の2つの視点から編み出されるセットリスト構成とメンバー配置がとにかく素晴らしいものでした。全体曲はもちろんチーム、デビュー期、カテゴリ別、バラエティ豊かなユニット曲が揃えられ、センターの選定や歌割に至るまで、ほぼ全員の適正を考慮検討しつつ、そのうえ少しのあそびまで加味されているという。その結果として、メンバーそれぞれにしっかりと役割があり、様々な組み合わせの中で化学反応を見せてくれる。そんな柏木さんのこだわりが行き届いているのがすぐにわかること自体が凄いですよね。今までこんなことはなかった。そして答え合わせまでしてくれるのだから至れり尽くせりです。
ユニット1曲目の「黒い天使」あたりから、だんだんとそんなようなことを感じ始めていたわけです。数曲前に「猫アレルギー」を歌っていたとは思えないずっきーの煽情的な立ち姿と一瞬の微笑みには目を奪われてしまいました。くいっと上げて張る肘の動きすら美しくて、ずっと見ていたい…。傍らの十夢ちゃんとれなっちも、ずっきーのそんな部分をうまく引き立てていたと思います。続く「だらしない愛し方」のさとぴの歌い出しも絶妙なところです。さとぴが手錠の振りしてると見てる側の罪悪感がすごい。そしてBメロで登場する、なぜかもうすでにウェットな感じになっているなるちゃんにびっくり。色っぽすぎるでしょ…。「小池」のメンバーもよくて…いい塩梅に大人メンバーがそろっている中に、JKのえりいが語り役というバランスが面白すぎました。えりいのアイドル性が覚醒しすぎています。「ごめんね、好きになっちゃって…」の怜ちゃんもいつもながらにキラキラしていて、ドラ2って本当にいま大変なことになっているな…と思わずにいられません。ドラ2全員入ってた「最強ツインテール」「遠距離ポスター」もアイドルグループとして最強でした。
とか言ってたら、「誘惑のガーター」「ロマンス拳銃」なんかが飛び出す振れ幅。麟ちゃんがこれまた、軽く他人の人生をめちゃくちゃにしてしまうような良い表情をするんですよねえ(語弊がある)。唇の形を作るのがうまいんですよ…。そんな感じなのに、ガーターの外し方に慣れてないのもある意味麟ちゃんらしい。カテゴリー別のラスト「桜の木になろう」はなーみんの歌い出しに心を震わされました…あとから見たら緊張の色もあるのですけど、なーみんのソフトな歌声がうまく空気を変えてくれました。この曲はBメロのえりちゃんとか、大サビのみゃおとか歌割が適材適所すぎて素晴らしかったです。サビのリフレインで何人かが短3度上でハーモニーを重ねていて、一気に視界が開けてステージから鮮やかな風が吹き抜けていくような印象。元桜の木になろう新規としては見逃せないところでした。
期別でよかったのは最初のドラフト3期「ビーチサンダル」。さわやかな白一色の衣装がステキでしたし、コンサートはラスト出演のそらちゃんにソロの歌割があったのがありがたかったですね…。この曲に限らずこの2日間、まほぴょんはもちろんですが、蘭ちゃんとかはーたんとかちゃけとか、前に出てくるドラ3のメンバーが多くて面白かったですね。ドラ3にはパジャドラはじめ劇場公演でたくさん楽しませてもらった思い出もありますし、全員が昇格して順調に魅力を増しているのは嬉しいことです。それだけにこのタイミングでそらちゃんを失うのは惜しいことこの上ありませんが…。あとは、にわか16期おたくなので「抱きつこうか?」は全力。
期別のあとのコンサート選抜による「抱きしめちゃいけない」であやみんを見ていて、今しかない今、みたいなものをこれ以上ないくらい楽しんでいる感じがとてもして、曲の歌詞とも少しリンクして、泣けてきてしまいましたねー。アイドルとして理想的な輝き方というか。本当に輝いていました。「Seventeen」はやっと見れたセブンティーンの怜ちゃんによる「Seventeen」。歌い出しのゆいゆいと怜ちゃんの並びが好きすぎます。
その後は怒涛のオール曲。「Only today」の全員横並びでのラインダンスと間奏のカノンは東京ドームかSSAかどこかの映像で見たやつだ!という感じで、それが今のメンバーで見れるのが嬉しかったですねー。大迫力でした。「ポニーテールとシュシュ」はなるちゃんのMIXが可愛すぎたよね(笑)「君と虹と太陽と」は2019年のツアーの記憶が強くて、これも昔の曲ですけど、なんだか向井地総監督になってからのAKBのテーマソングみたいなイメージになっています。
「夕陽を見ているか?」あたりから、ステージ上はもちろん、この空間の祝祭感というか、尊い時間が流れている雰囲気があって、これは今まで自分がAKBの現場に通っている中では無かったようなもので、AKBの現場でこんな感じになることが自分で驚きだったというか。これもゆいゆいの歌い出しからえりい/ずっきー、さと/怜ちゃんと繋いでいく歌割になっていて、明確に未来を感じさせるような仕掛けになっていました。本編ラストの「ファンレター」ははっきりとメンバーからのメッセージとして受け取れる曲で、みーおん総監督とゆきりんのスピーチも含めて、あまりにも感動的でした。メンバーも涙しながら歌っていて。下手側にいたなーみんも…。真ん中から順に一礼して退場していく演出があって、そこでの皆の表情がよかった。スタンディングオベーションしたい気分。
アンコール(?)も鉄板曲が続きますが、「永遠より続くように」でカメラに向かって力を込めて歌うゆきりんを見ていて、やっぱりAKBが好きであることにかけてはこの人に敵う人はいないのかもな、と。もう細胞の隅々までAKBでできているような人ですよ。オーラス「真夏のSounds good!」に至り、「♪君が好きだ/やっと言えたね」とようやくコンサートタイトルを回収。まさに大団円を迎えて終演となりました。
ともあれ、これだけ人数がいるAKB48だからこそできる、そして今のこの状況だからこそ価値を増すコンサートをやってのけてくれたこと、加えて、新規ファンの自分はもう見る機会がないと思っていた景色を現役メンバーだけで見せてくれたことにまずは感謝です。前日にあまりにもすごいコンサートを見せられて、大丈夫か?と思っていましたが、心配はまったく不要でした。参りましたと言わせてください。
わたし自身は、いまのAKB48が自分に合っているな、と思っていたのは、程よくエモくないということでした。というのも、東京ドームや紅白歌合戦といった大目標を、このグループはすでにあらかた達成してしまっていたんですね。「達成後」の時期が粛々と続いていることは、感動することに疲れていた自分には都合がよくて、劇場公演での体験や日々のSNS、握手会でのコミュニケーションを通じて、自分とメンバーとの関係性にだけ集中していられるという環境は正直なところ理想でした。が、1期生の卒業を機に改めてグループとして団結したAKBは、想像していた何倍も何十倍も最強でした。やっぱり目標に向かっているアイドルって輝いていますよ。そのことを忘れていました。今回見せてくれたようなものをまた見られるなら、また1830mの先を目指していくのも悪くはないのかも。
ひとまず新曲を出すことが決まってホッとしたり、新番組のタイトルになんやねんとなったり。世間は相変わらずの状況ではありますけど、来月は謎の舞台イベントもありますし、去年とは比較にならないぐらい楽しんでいける気がしています。メンバー全員捌けたあとの最後の挨拶で、みーおんが子どもみたいに涙を流していて、開催にあたってのプレッシャーはいかばかりであったかと思うと彼女のことが愛おしかったですね。みーおんについて行きます。AKB48最高!
SETLIST
峯岸みなみ卒業コンサート 〜桜の咲かない春はない〜
- 私は私
- 清純フィロソフィー
- LOVE修行
- 重力シンパシー
- 法定速度と優越感
- 渚のCHERRY
- 逆転王子様
- また あなたのこと考えてた
- 涙の表面張力
- 制服が邪魔をする
- Begginer
- 伝説の魚
- 純愛のクレッシェンド
- 唇 触れず…
- Relax!
- 転がる石になれ
- Choose me!
- secret base ~君がくれたもの~
- RIVER
- 大声ダイヤモンド
- 上からマリコ
- ポニーテールとシュシュ
- ヘビーローテーション
- 希望的リフレイン
- 真夏のSounds good!
- Everyday、カチューシャ
- 言い訳Maybe
- 夕陽を見ているか?
Encore
- 私は私
- また会える日まで
- 桜の花びらたち
- 10年桜
AKB48チーム8 全国ツアー ~47の素敵な街へ~ファイナル 神奈川県公演 『真っ青な空を見上げて』
前座
- 愛のキャンプファイヤー
- 暗闇
- セブンスコード
- やさしくするよりキスをして
- 負けないで
本編
- 泣きながら微笑んで
- 10年桜
- 涙の湘南
- 君は僕の風
- へなちょこサポート
- 涙の表面張力
- 最強ツインテール
- 君にウェディングドレスを…
- 天国野郎
- 孤独なランナー
- この涙を君に捧ぐ
- ごめんねジュエル
- 点滅フェロモン
- 思い出のほとんど
- 恋する充電プリウス ~恋するフォーチュンクッキー2~
- 一生の間に何人と出逢えるのだろう
- 汚れている真実
- ジタバタ
- あまのじゃくバッタ
- 制服の羽根
- 星空を君に
- 思春期のアドレナリン
- 生きることに熱狂を!
- 挨拶から始めよう
- 蜂の巣ダンス
- 好きだ 好きだ 好きだ
- 夢へのルート
Encore
- 長い光
- 願いごとの持ち腐れ
- 47の素敵な街へ
- 約束よ
AKB48単独コンサート〜好きならば好きだと言おう〜
- 愛の存在
- 大声ダイヤモンド
- サステナブル
- ずっと ずっと
- 法定速度と優越感
- 胡桃とダイアローグ
- 君に会うたび 恋をする
- イチニノサン
- スクラップ&ビルド
- To goで
- 呼び捨てファンタジー
- 猫アレルギー
- 目を開けたままのファーストキス
- 47の素敵な街へ
- 黒い天使
- だらしない愛し方
- 小池
- Faint
- ごめんね、好きになっちゃって…
- 1994年の雷鳴
- 最強ツインテール
- 遠距離ポスター
- 誘惑のガーター
- ロマンス拳銃
- 僕たちは戦わない
- 近いのに離れてる
- 流れ星に何を願えばいいのだろう
- 桜の木になろう
- ビーチサンダル
- 抱きつこうか?
- 僕の太陽
- Two years later
- Beginner
- 背中から抱きしめて
- 抱きしめちゃいけない
- Seventeen
- ファースト・ラビット
- LOVE TRIP
- ハイテンション
- Only today
- ポニーテールとシュシュ
- 君と虹と太陽と
- 夕陽を見ているか?
- ファンレター
- ひこうき雲
- 永遠より続くように
- 重力シンパシー
- 真夏のSounds good!