LIVE THEATER 2015 -ACOUSTIC-

1月に奈々ちゃんのライブに行くと、やっと年の始まりという感じがする。

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9月のシンガポール公演のLVは行けなかったので、アニサマ以来の奈々イベ。はっきり言ってLIVE FLIGHTは自分の中では不完全燃焼で終わってしまって悔しかったので、この年明け一発目のライブに期待していた。ものの、アコースティックとだけ言われてもどういう内容になるのかさっぱりわかりません。たまにやるアコースティックコーナーみたいな感じだけだと1公演もたないし、SSAのムダ遣いだ。セトリ予想もしようがない。思えばLIVE GRACEはオーケストラでやりそうな曲がだいたい想像ついたよなぁ。

いつもならセトリの話からしちゃうところ、今回は最初に全体の印象の話。オープニングの映像にお伽話風のナレーションがついていたので、最近のゆかりライブの流れかなぁとも思ったのですが、蓋を開けてみればそれをさらに推し進めたものだった。奈々ちゃんが言っていたようにひとりミュージカルというのが近いのかもしれないけど、ステージ進行も選曲も演出も映像も全て一貫したストーリーのもとに進んでいくという新しい流れ。メインステージと3つのサブステージを行き来しながらストーリーが進行し、様々な仲間との出会いを経ながら音楽は自在に色彩を変えていく。歌と寄り添うようなヴァイオリンの音色であったり、スウィングするビッグバンドの楽しさであったり、揺らめきながら流れるアコーディオンの哀愁がある。

実を言うとここ数年というもののNANA MIZUKI LIVEの構成自体に個人的に閉塞感があったんですよね。何か考える時期に来ているとは思っていて、もしかするとLIVE FLIGHTでは新しい試みが盛り込まれていたのかもしれないけれど、私としてはそれはやや失敗でした。からの、アコースティックライブと銘打っておいてのこれですよ!以前はライブタイトルはアートデザインや選曲のうえでのあくまでもテーマという感じだったのが、LIVE CIRCUSからFLIGHTにかけて、一つのストーリーとステージそのものとをリンクさせようということをやってきてた気がする。でもそれはリンクという段階で終わっていた。それが今回は、映像を手がかりとしてステージセット、音楽、演出をシームレスに融合させることに成功していた。おそらく、上に書いたように小編成が中心のアコースティックという形態をSSAでやるにはどうするか、SSAという会場をどう活かせるかというところからの着想だと思うんですけど、本当に参りましたの一言です。

セトリもまさにこのライブならではのもの。いつも夏冬の傾向とか演奏されてない期間とか考えて予想してるけどこれは無理だわ。一発目のTrinity Crossで響いたオルガンの音色は衝撃的でしたね。この曲人気の割に来ない来ないと言われていましたがこんな使われ方をするとは。これはほんの手始めで、本編の全曲が新アレンジ。これはまさに!というようなものもあれば、想像もつかない形に生まれ変わった曲も多く、ありとあらゆる曲が新鮮に聴こえる。まったくアレンジの妙としか言いようがない。前者の代表はアコギとのデュオになったray of changeだったり、ビッグバンドをしたがえたMARIA & JOKER、重厚なストリングスを敷いたCrystal Letter。後者となると、ヴァイオリンをフィーチャーしたTake a chanceや、タップダンサーがリズム隊になった前代未聞のOrchestral Fantasia、さらにはマンドリンとアコーディオンをフィーチャーして地中海音楽と化したパノラマと終末のラブソングがある。特に終末のラブソングは初披露でもあったので、ここまで大胆にアレンジするとは思わなんだ。血が熱くなるような演奏が情熱的な歌詞と想像以上にマッチしていて、これ原曲アレンジじゃないの?と思ったほど。CDで出しましょう。ほかにもゴスペル隊とのアカペラバージョンになったSCARLET KNIGHTも迫力がありましたし、まさかの生ブラスを入れての初披露Ladyspikerはここで来るか!と。どれを取っても楽しい曲たちばかり。特に1日目のワクワク感は常のライブではなかなか体感できないものだったと思います。コールもない、音楽そのものだけでここまで楽しめるライブ今まで無かった。

演奏にしても、これだけ多彩な音楽を表現するために大勢の人々が奈々ちゃんをいつも以上にサポートしてくれて…パノラマでの格さんのマンドリンのトレモロとか痺れっぱなしだったし、門脇さんのヴァイオリンは今までのライブで一番活き活きとしてたと思うし、ビッグバンドの演奏にはもう身体が反応しまくって仕方ない。演奏だけには留まらず、いつものチェリボの面々も奈々ちゃんと一緒にこのライブのストーリーに入り込んでいたのがまた良かった。プレイヤー以外にもタップダンサーチームやピエロのうっちー、それにスペシャルゲストの面々も音楽と音楽以外のところで一役二役買ってくれていました。そして一番大事なのが奈々ちゃんの歌で、2日間とも本当に声が伸びやかで、アコースティックということもあって音響にも余裕があり、SSAとは思えないぐらい歌声そのものを堪能できた。とにかくステージに上がった全ての人たちのパフォーマンスが素晴らしかった。

そういえばこのライブの発表があったLIVE FLIGHT横浜のあと、「立ち禁にしてほしい」というのと「妥協せずにアコースティックのスタイルを貫いてほしい」というような要望を書いたんですけど、立ち禁についてはあっけなく潰えました。なんであんなみんな最初から立つんだ…。それでも1日目は200LVだったので半分くらいは座って見てましたね。そんなことも言いつつビッグバンドのセクションなんかは踊ってなんぼみたいな感じだし、ライブの構成としてはメリハリをつけてたんだと思います。コールもほとんど起こらなかった。それと関連して後者の話。これに関しては上にも書いたように本当に良い仕事してくれたと思いますし、LIVE GRACEのリベンジにもなったと思います。ただ、終盤に歌われたSUPER GENERATIONだけは蛇足だった…。あの終盤セクションはたぶんストーリー的にも、数々のシーン=ステージを経て、最初は1人で歌っていた少女が様々な「音楽」を持った人々と音楽を通じて友達になっていって、その最後に加わる楽器というのは観客の僕らの声なんだ、というすごく納得のいくところではあるんです。SUPER GENERATIONも確かに会場全体で歌う場面がある。それでもあのほぼ原曲とリズムを変えないアレンジだと、やはりそれ以上にコールとかが前に出てきてしまう曲だったりもするので、Song Communicationだけでよかった感が否めない。でも予想では半分くらいあとからはいつものノリかなと思っていたので全然許容範囲だし、むしろよくここまで貫徹してくれたと思います。

そんなことを色々考えてましたけど、7COLORSピアノソロバージョンに乗せて流れたエンドロール後…すっと奈々ちゃんがせりで上がってBLUEを歌い始めた瞬間は色んな思考が吹き飛ぶくらい…その音楽と光景に水樹奈々が思う歌姫像を見てグッときたというか。前にも書いたようにBLUEは愛の星に続く水樹奈々バラードのマスターピースだと思うし、それがこのアコースティックライブを締めくくるというタイミングで聴ける…なんという幸福。歌、演奏、演出含めわたしの中でここ数年のベストパフォーマンスの一つです。

アンコールはアコースティックじゃないので夢から覚めた感あったけど、まあこれも仕方のない範囲かなと。エデンとか夏にできないし。禁断のレジスタンスは音数多いなあとか思ってましたけど、サビ最後のキメはかっこよくて好きです。エデンはここ最近のシングル表題曲としてはダントツに気に入っている曲。この「かき鳴らす」という言葉がぴったりの轟音ギターとピアノとが組み合わさる切なロック…。こういうのこそアルバムSUPERNAL LIBERTYに期待していたものの一つだ。結局あのアルバムは散漫な印象が残ってしまっていて、私の中では期待値が高かっただけに残念だったんですけど、その後でシングルとはいえしっかりと応えてくれるってのが良いし、感じていたこともまあ的外れじゃなかったなと安心するのでした。にしても、アコースティックじゃなくなった瞬間に音響がもうとんでもないことになってましたね。やっぱSSAはSSAだった…。最後のアコースティック、Tears’ Nightと星屑シンフォニー。Tears’ Nightは締めとしてどうなんだと思ったけど、パーカッションが入ったゆったりめのアレンジはうまくいっていて、むしろ本編でもやってよかったんじゃないかと。星屑シンフォニーは前回のGRACE opus.IIではなんでか跳び曲になっていたので、そうじゃない星屑シンフォニーが聴けてよかった。にしても、あのときは90人のオーケストラだったけど、こうしてまた生ストリングスと生コーラスが入った編成で聴けるとは。奈々ちゃんも言うようにハッピーな気持ちになれる名曲だと思う。最後の最後にダブルアンコール、New Sensation…やっぱりこの曲に帰ってくるんだよなあ。

そんなこんなな2日間。はっきり言って、水樹奈々史上最高のライブと断言できる可能性があった。いくつかのもったいない部分はあったにせよ、それでも史上最高に近いところに確実に来ているライブでした。なんというか、いつも奈々ちゃんと三嶋さんは色んな趣向を凝らしてファンを楽しませてくれようとしていると思うのだけど、今回はそれが特に感じられて、音楽面だけでなくて演出、計3人もいたゲストの出演や奈々ちゃん自身もやったタップダンスとか、とにかく随所に。そしてそれが実際に成功しているということですよね。もう何十回もライブ行っていて、まだまだこんなライブが体験できるということが凄い。チーム水樹の底力だ。

お次はやはり夏にツアー。LIVE FLIGHTは全然参加できず悔いしか残っていないので、色んなところに行きたいしホールも行きたいけど不安しかない。7月か8月ぐらいまで待って頂けると助かります。その前にファンクラブイベントVIもあるんだった。あのFCイベVから3年半というもののFCイベをやれとけっこう言ってた気がするのですが、いざやります!と言われるとあのクソゲーすごろくを思い出してやっぱやんなくていいよってなるアレ。また武道館だから戦々恐々です。そういう感じで2015年の展開も期待しておきましょう。

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秘境埼玉に怪鳥現る。隣はSSAの公式キャラクターらしい。

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SETLIST

2015.1.17

01.Trinity Cross
02.PHANTOM MINDS
03.ray of change
04.Take a chance
05.ストロボシネマ
06.パノラマ-Panorama-
07.終末のラブソング
08.SCARLET KNIGHT
09.Necessary
10.深愛
11.哀愁トワイライト
12.MARIA & JOKER
13.Crescent Child
14.大好きな君へ
15.Orchestral Fantasia
16.Crystal Letter
17.BRIGHT STREAM
18.SUPER GENERATION
19.Song Communication
20.BLUE
(Encore)
21.禁断のレジスタンス
22.エデン
23.Tears’ Night

2015.1.18

01.Trinity Cross
02.PHANTOM MINDS
03.You have a dream
04.Lovely Fruits
05.ストロボシネマ
06.パノラマ-Panorama-
07.終末のラブソング
08.SCARLET KNIGHT
09.Necessary
10.深愛
11.哀愁トワイライト
12.Ladyspiker
13.MARIA & JOKER
14.大好きな君へ
15.Orchestral Fantasia
16.Crystal Letter
17.BRIGHT STREAM
18.SUPER GENERATION
19.Song Communication
20.BLUE
(Encore1)
21.禁断のレジスタンス
22.エデン
23.星屑シンフォニー
(Encore2)
24.New Sensation(合唱)

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