Metheny Mehldau “Quartet” Japan Tour 2007

さて、2007年のジャズ界では最注目のメセニー・メルドーカルテット。東京NHKホール公演2日目に行って参りました。 ちなみに実は今回はアルバムは未聴。

今回のメンツはパット・メセニー、ブラッド・メルドーにメルドーがトリオで組んでいるラリー・グレナディア、ジェフ・バラードを加えたカルテット。まあアルバムと同じですが。 ラリー・グレナディアはメセニーとは99→00トリオで一緒にやってたはず。ジェフ・バラードは昔チック・コリアのオリジンでアヴィシャイ・コーエンと組んでた人ですかね。

UnrequitedからMake Peaceまではメセニーとメルドーのデュオ。デュオアルバムから3曲と、いきなり渋めの演奏になったと思ったらなんとスタンダードAiregin。メセニーがウェス・モンゴメリーを敬愛してるからか。 いつもはパットメセニーグループの曲しか聴いてないんで、メセニーがスタンダードやってるのを聴くのは初めてでしたね。トリオとかのライヴだと結構やってたりするんでしょうか。というかまぁ、僕自体スタンダードあまり聴いてないわけですが(笑

演奏が始まるとやっぱりあのメセニー特有のあの暖かい音が飛び出す。いやぁこれが聴きたかったって感じですよね。初めてだったのでなかなか感極まりました。ソロも気合充分。 対するメルドーも初めて聴いたんですけど、メセニーがバックに回ってソロ取ってる時のフレーズのなんとロマンティックなこと。ちょっとキース・ジャレットを思い出しました。そのへんはやはり特にこのデュオコーナーに顕著でしたね。これは1回ソロピアノで聞いてみたいかも。
 ただデュオで不満だったのが、ギターのピックの音まで拾ってたこと。どうもギターにマイクが内蔵されててそれが生音も拾ってたようなんですが、デュオの演奏ではそのピックを弾く音が気になってしょうがなかった。僕が結構前列にいたからかもしれませんが・・・。カルテットの演奏ではあまりそこは気になりませんでしたね。

デュオでは総じて2人の美しい音と音に浸ってましたが、特に4曲目Make Peaceの演奏は素晴らしいことこの上なかった。導入部はメセニーらしい優しい旋律だと思ったら、いきなり激しくアコギをかき鳴らす壮絶な展開。ラストにまた導入部のテーマが現れる。これはアルバム聴いてなくてよかったかもしれない。名曲なり。

ところでMake Peaceではどこからか低音がビートを刻んでましたが、どっかで誰かがベースを弾いてるかと思いきや、メセニーが使ってたアコギががバリトンギターというやつらしく。その辺のことはよくわからないんですが。 今回のライヴではそのアコギに加えメインではいつものIbanezのPM-20、おなじみのRolandのギターシンセGR-300/G-303、例の特注42弦ピカソギターという感じでした。ちなみにメルドーはアルバム通りスタインウェイのピアノ1本。

さて5曲目以降はカルテット。バンド形態になるとやはりこの辺はライヴだと一味違う迫力がありますよね。いやアルバム聴いてないんですけど。A Night Awayなんかはアルバムで唯一聴いたことがある曲だったんですが、テンポも上げ気味で、ライヴならではの躍動感と言いますか、なかなかの名演だと思いました。 元々アルバム1曲目ってこともあってノリもいいですしね。1曲目だからかは知りませんが最初拍手あがってました。

ここで注目したいのがジェフ・バラード。いやなに、僕は素晴らしいドラマーだと思いましたよ。全編飛ばしてました。Vera Cruzでの長い長いドラムソロもかなりの迫力。 パワードラマーだと思いましたね。見た限りだとマッチドグリップでやってたような。割といつもドラマーに注目する私にとってはいい収穫でした。相方のラリーもカルテット3曲目あたりでいいベースソロ聴かせてましたね。ジェフがうるさかったって意見もありそうなんですけど、まあアルバムはまったりでしたし、メリハリついてていいんじゃないでしょうか(何

Sound of Waterではあのバカでかいピカソギターが登場。あの物凄い数の弦を操ってました。いやーしかしここでの音響はメセニー万歳という他ありませんでしたね。なんですかあのアンビエントチックな。まさにSound of Waterでした。

あといくつかの曲でおなじみのギターシンセ使ってましたが、これまたライヴ来て良かったと思えるパフォーマンスでした。メセニーフレーズを連発しつつ上り詰めていくあの迫力といったらもうアルバムじゃ味わえませんね。

アンコールはこの日はアルバムから2曲でしたが、PMGの曲をやったとこもあったそうで。そんなこんなで終了。2時間45分ぐらいやってましたかね。2回目のアンコール前あたりから終電の時間が危うくて焦ってましたが(笑

ところで今回音響が云々って話をよく聴くんですが、僕はそんなに気にはなりませんでしたね。ただ実は席が1階1列1番というありえない場所だったので、かなり聴こえ方が偏ってると思います。いやさすがに1列1番はお知り合いの方に代わって頂きましたが(笑)、それでも2列4番あたりでしたかね。
というところで今回は〆。今度はPMGも聴いてみたいなあ。

Date/Place

07.09.27@東京 NHKホール

Personnel

Pat Metheny(Guitars & Guitar Synth), Brad Mehldau(Piano), Larry Grenadier(Bass), Jeff Ballard(Drums)

SETLIST

  1. Unrequited
  2. Airegin
  3. Annie’s Bittersweet Cake
  4. Make Peace
  5. A Night Away
  6. Santa Cruz Slacker
  7. En La Tierra Que No Olvida
  8. Ring Of Life
  9. The Sound Of Water
  10. Towards The Light
  11. Vera Cruz

Encore

  1. Bachelors III

Encore2

  1. Say The Brother’s Name

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