スター・ウォーズ フォースの覚醒 in IMAX 3D

ライブビューイングとか先行上映を除けば、映画館ではアニメ映画を24回連続で見ていたらしく、4年ぶりに実写映画をスクリーンで観る。まぁ先行上映は全部アニメだけど・・・。てな感じのわたくしですが、IMAX 3Dでスター・ウォーズを観るために成田まで行ってきたよって話。
_1033593今回のスターウォーズは全編フィルムで撮影されているというのがまず驚きというか、世界で最初にHD24Pフルデジタルで撮ったシリーズがフィルム回帰とはいやはや。今はフォーマットの移行期だからアナログで撮っておくのは正解だと思うけど。35mmだけでなく70mm15パーフォレーションのIMAXフィルムも一部使用しているということだったので、どうせならIMAXデジタルシアター、どうせならよりスクリーンの大きなところ、ということで、11月に大阪のエキスポシティが出来るまでは日本最大だった成田HUMAXシネマズのIMAXデジタルシアターへ。

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_1033594 スターウォーズはアニメはフォローできてないけど実写の映画は全部観てるよというライトファン。 プリークェル・トリロジーはリアルタイムで観てるんですけど、大まかなプロットはEP1を観る前から知っていた(まぁそのディテールを明かすのが目的なんだけど)ので、今回のは話のとっかかりすら全く分からない初めてのスターウォーズということになる。

IMAX Digital Theatre Narita入ってみると期待通り、横24.5m縦14mの大スクリーン。最近いろんな映画館周ってますが、大作と言われるような映画を観てなくて小スクリーンを宛がわれてばかりだったので、久しぶりにこれぞ劇場という迫力である。なにせ直前に観たのが池袋のシネリーブルだからな・・・。今まで観た中での最大は新宿ピカデリーのスクリーン1(17.2mx7.2m)かなぁ。新宿でよく映画観てたのに、歌舞伎町に行くことが全くなくてミラノ1は行かずじまいだったのだ。むかし丸の内ピカデリーでバイオハザード観たときとにかく大きく広くて驚いたのを思い出したんですけど、いま見ると15.3mx6.4mで特別でかいというわけじゃないのね。

このスクリーンはビスタサイズに近い1.75:1なので、1.43:1のIMAXフルフレームとは行かないものの普通の映画館のシネスコに近いスクリーンよりはカット部分はだいぶ減る。1.77:1で映像が入っているBDで観るのとだいたい同じかな。

_1033592後ろから2列目の席より。全体を見渡すならこのへんの席。傾斜は十分ついている。鑑賞した感じとしては、今まで行ったスクリーンの中で一番映画に集中できたスクリーンと言っていいと思う。巨大スクリーンと3Dグラス、席の傾斜のおかげ。35mmフィルムでのシーンも十分な迫力があるけれど、IMAXフィルムで撮影されたシーンになると真骨頂を発揮する。画面の範囲が広がって、ぐっとスクリーンの中に引き込まれていく感覚。テーマパークのアトラクションにでも乗ってるような、ミレニアム・ファルコンと一緒に飛んでるような(4DXじゃないけど)。10分程度の1シークエンス、鳥肌が立ちっぱなし。これだけで成田に来た価値はあろうというもの。今回は後ろ目の席だけど、もう少し前の席だともっと凄かったかもしれない。

3D映画もめちゃくちゃ久しぶりだったんだけど、グラスをかけた耳が痛くなるのとたまに遠近感が得られないのを除けば面白かった。画がボヤけるイメージがあったけど思いのほか鮮明。惜しいのは、上映時にスクリーンの左側らへんに縦のシミみたいなのが見えること。かなり暗いシーンだけだから問題ないっちゃないんだけど、これはスクリーンに起因してるのかDLPに起因してるのか…。音は普通かな。

ってことで、期待してたものを観れて満足のいく成田行きだった。成田は千葉に住んでいても行きにくい場所なんだけど、1日がかりでアトラクションを楽しむ日ってことで。ほかの映画館とは違う体験ができる。まぁいろんな映画があるので大きければ大きいほどいいとも思わないし、この映画にしてもIMAXシークエンスは10分もないので「これが真の『フォースの覚醒』!!」とか煽るのも違うやろと思うけど、映画館がほぼデジタルシネマになったいま、ホームシアターでBlu-rayを観ることとの決定的な違いをつくるのは(音響とか4DXみたいな効果もあるけど)やっぱり大きなスクリーンが一番かなと思うわけで。大阪吹田のエキスポシティにできたIMAXフルフレームで観られる4KレーザーIMAXや池袋に来年できるというスクリーンも気になってきたよ。

作品のほうの感想も書いておくと、これは『新たなる希望』をかなり意識して作られているのじゃないのかな。おおまかなキャラクターの役割とストーリーの展開は多くの共通点があって、プロダクションも含めて現代版『新たなる希望』と言ってもいいと思う。この映画が製作発表される前の全6部作での収まりの良さを感じてたファンとしては戸惑いを感じる設定も多少あるんだけど、おなじみのキャラクターの現在の姿も実に「らしい」ものだし、話が進むにつれて「おお、これはスターウォーズだ!」となってくる。細かいところに仕込んである過去作を髣髴とさせるネタの数々。スターウォーズが好きな人が作っているんだなあと分かる。それも必要以上ではなくて、単なる懐古趣味にならないラインを保っているのがエライ。

先に「プロダクションも含めて」って書いたとおり、この映画はグリーンバックを使わずにほとんどセットを作って撮っているんだけど、その作り込みたるやオリジナル・トリロジーからちょうど30年ぐらい経っていそうな絶妙なデザインと質感。どう見ても、『ジェダイの帰還』の続編になってる。グリーンバックで撮影されていない場面のほうが圧倒的に少なかったプリークェル・トリロジーはこれでもかというCGの海でド肝を抜かせてくれたけど、そういう手法の飽和した今となっては逆に時代を感じたりもする。あれはCGでやりたいことができるまで10年以上待ってから製作されたわけで、絵に描いた近未来世界の旧共和国時代を表現するために必要だったんだろうけど、今作を見ると「そこにある」という質感は守っていってほしいなあとも思ったり。

おなじみのキャラクターの安定感はでかいが、主軸はもちろん新しいキャラクター。これが想像以上に魅力的で、特に主人公のレイはJ.J.エイブラムスが「脆弱でありながらタフ、恐怖におののきながら思慮深く、優しいが混乱している」というように、強さとしなやかさ、ストイックさを持ち併せながらところどころで人間味も感じさせる。かつ、攫われたまま助けを待つだけみたいなジェンダーバイアスにもとらわれない新しいヒロイン像を持っている。いやー、これからの三部作の中心にふさわしい大物ですよ。

そして何より、ストーリーの続きが気になって仕方がない。新しい三部作の始まりを見終えて、サーガの本当の終幕に向けてポジティブな期待が持てているというのはとても嬉しい気持ち。今年の年末にはもうスピンオフの”Rogue One”もあるので、しばらくは祭りが続くんじゃないかな。Expanded Universeを切り離したあとのカノン扱いのノベルとかコミックが思ったよりペース早く出てて、各エピソードの間が次々埋まってきてるので、気になるものもあるしいくつか見てみたいところ。『帝国の影』がカノンじゃないのはどうも解せないので複雑なとこもあるけれど。


家を探したら懐かしいものが出土。16年前にエピソード1『ファントム・メナス』を観たときのパンフレット。当時読みまくったせいで一部落丁している。最初に見たのはツタヤで借りてきてもらった『帝国の逆襲』で、世代的には特別篇のころだが観たのが特別篇だったかどうかはよく覚えてない。このころはけっこう熱心にノベルとか考察本とかも読んだりしていて、そうやってスターウォーズが一番好きだったときに公開されたのが16年ぶりの新作であるエピソード1だった。完全なる映画オンチのぼくがシリーズ全作を観ているというのは、子どものころから好きだったってことが大きいのだろうな。昔はEP6から1が公開されるまでの16年という月日は想像すらできないほど長く感じられたもんだけど、EP1から数えて同じく16年経ってあの時と同じ祭りが起きている。歳の離れた小学生の従弟がスターウォーズと言い始めて、16年の月日と祭りのスケールを実感したのでした。

ガールズ&パンツァー 劇場版

すごいなあ。すごい。すごすぎる。見ながら小並感しか浮かばないぐらい圧倒される劇場版ガルパン。何しろ一切の妥協がありません。例によって時間をかけにかけただけあって、映像のクオリティはまさに驚異。劇場アニメはだいたいクオリティ高いけど、ここまでのレベルのものは初めて体験した。去年ムビマスとか最近ならアイカツ見ていても思ってたけど、アニメの3DCGってここまで来てるんだなあ。モノも背景も視点もダイナミックにぐいぐい動く。CGで可能になってるカット割りとか考えると、やってることが大作SFとそこまで変わらないんじゃないか。ガルパン、スターウォーズだった・・・。

ガルパンで好きなところといえば、人が死なないところと試合中に相手とあまりしゃべらないところですが、アニメ最終話と同じく映像と音で語らせる最終盤の戦いは、セリフも最低限に少なく緊張感溢れる中でしっかりとキャラクターのドラマも詰まっていて、さすが水島努としか言えないところ。カット割りに演出に、監督の力を感じるアニメだ。パンフレット裏の”A TSUTOMU MIZUSHIMA FILM”の文字が光りますな。往年の劇場版クレしんも髣髴とさせてくれる。

お話の基本線はシンプル&王道で、余計なものはないある意味いつものガルパン。おなじみのキャラも新キャラも一人としてなおざりにならず、しっかり存在感を示してくれる。それでいてあの大スペクタクルをがっつり120分やってくれており、これまたガルパンらしい大団円に辿り着く頃には実に濃密なアニメを見た満足感でいっぱい。ChouChoさんの歌う主題歌”piece of youth”もこのアニメを見終えた余韻をもう一震わせしてくれるエンディングにふさわしいもの。延期に延期を重ねてほんとどうなることかと思いましたが、これはもう最初から120分で描かれるべきものだったと言うべきでしょう。これを完成させてくれたなら、納得できないはずはない。私服みぽりん最高!以上!

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心が叫びたがってるんだ。

観てました。気付いたら1週間ぐらい経ってた。

一瞬だけファンタジーっぽくはあるもののちょっとした味付けぐらいなので、あの花よりだいぶ正統派な青春アニメです。一緒にラジオとか始球式とかしていたし、もっとあの花の続編的要素があるのかと思ってましたよ。僕はこの作品で描かれるような青春は1秒も通過していませんが、こういう青春っていいなって思うお話は好きですね。現実にはこんな綺麗にあれこれ動かないしみんなで一枚岩になることもないから、アニメとかで描かれるとよけいに気持ちよく見えます。あまりラブストーリーじゃないのもベタじゃなくてよいし、そうさせている登場人物たちのリアルな不器用さがもどかしくもあるけれど、このくらいのほうが逆に爽やかに感じられる気もします。

ちょっとモヤモヤのあるところも含めて王道ヒロインな菜月(を演じる天ちゃん is the Best Supporting Actress)にも惹かれるのですが、やはりこの話を動かしてかき回していく順が魅力的です。高校の頃(ぼっちオタクよろしく)ああいう子が好きでしたしね。と同時に、自分とも重ねたくなる。夢見がちだし、いつまで経ってもわけのわからなさがあるし、行動も突拍子なく感じられるけれど・・・なんか理解できる気がするんだな。順のモノローグは割と多いのですが、それでもますます心の内が気になるヒロインです。

CMでも流れていた『悲愴』を含めて、(ミュージカルらしい)いくつかのスタンダードナンバーが印象的に使われています。歌は一つのテーマ。歌に乗せれば本当に喋りたいことも伝えられると、主人公・拓実くんは言います。歌にはそのぐらいの力があると、音楽好きとして信じたい。歌っていうのは、いちばん根源的で常に人と寄り添うようにある音楽だと思うから。歌のない音楽ばかり聴いていたって、そう思っています。歌じゃなくて楽器の演奏でしたけど、僕も一人で立った舞台の上ではなんでもできるような気がしました。音楽の素晴らしさってこういうところだよね。青春っていいなと思うと同時に、音楽っていいなと思える作品。

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舞台挨拶行きたかったなあ。