雨の磐田戦

1日は2ヶ月ちょいぶりにフクアリへ。
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関塚監督になってからというものの負けはしなくなったが、ホーム京都戦をはじめとして勝ち切れもせず、引き分けが多かったのがもどかしかったのです。が、10月は謎の勝負強さを発揮し天皇杯も含めて全勝。特に追加タイム直前の失点を森本のスーパーゴールで帳消しにした大分戦と85分からの2得点で逆転した群馬戦はチームの勢いを感じる勝利で、「この時期のジェフらしくなさ」がすごかった。

その中で迎えるジュビロ磐田戦です。ただでさえ人は入るカードだけど、4連勝のおかげでここで勝てば39節にして初めて勝ち点で並べるところまで来ているというこの状況。結局15000人近くが入り、満員のアウェイ側ホーム自由席最後列でずっと立ち見してました。これがチームの勢いが人を呼ぶということかーと実感。この熱気は間違いなくJ1レベルだった。

試合は前半は磐田にボールを持たれる展開。元代表組も含めて、個の力では一歩上を行かれている。特に中盤のクオリティには差があった。勇人あたりがパスをカットしてカウンターということになっても、トップ下のヤマトをリンクしてボールを前に運ぶということがなかなか出来ないんですよね。もう少し個人での打開が必要。攻撃時はだいたいサイドからということになるのだけど、左サイド太亮からボールを受けた谷澤がやたらとコネてシュートまで行けないという形が多くてなあ。のらりくらりとDFを躱して長いことボールをキープするテクニックはまさにYAZAWAなのだが。それでも、この2列目はかなり左右に流動的に動いていて運動量もあった。ここのところ右MFに定着している幸野はとにかく走っていたし谷澤もあちこち顔を出していた。ボールは持たれてもラインが下がり気味になるということはなく、決定機は磐田と同じくらいありましたが、セットプレーで失点。なんと伊野波。コーナーからファーに蹴られてシュートされる形がこの数分前にもあったんですが、同じ形で守りきれず。

後半のジェフはやはり攻勢を強めて、対する磐田はやや引き気味になってカウンター狙いにシフト。すると後半の早い時間帯に同点ゴールが。左サイドからの組み立てで、谷澤からのパスを町田がダイレクトで森本に渡すと、受けた瞬間にすばやく前へ動き出して引き付けたDFを振り切り、その間にフリーになった幸野が右足で決める。パスワークからの綺麗な崩しでのゴール。ホーム側で観たかった!さらにすぐあとには太亮のミドルシュートを磐田GK八田がこぼし、そこに詰めた谷澤のシュートはポストに当たるも、さらに大岩が詰めて逆転。このへんは気持ちが入ってましたね。フクアリのあの雰囲気はおそらく今シーズン最高潮。押せ押せで3点目のチャンスもありましたが、その後のバックパスのミスからの失点はもったいなかった。高木も1回は止めたんですけどね…。再び同点になったあとは磐田のほうがチャンス多し。やはり駒野のいる相手左サイドは強力でヒヤヒヤさせられました。ジェフもケンペスに加えてジャイールまで投入し勝ちに行ったものの、ビッグチャンスといえば大岩からのドンピシャのクロスにケンペスが合わせたぐらいか。これはGK正面。ヤマトや幸野を外しているのでもう少し放り込みに行ってもよかったと思うんですけど、結局ジャイールなんかはほとんどボールを触れなかった。

結果としては2-2のドローになったものの、これぞフットボールという白熱したゲームでした。内容的にももちろん、スタジアムのボルテージという面でも最高。このぐらいの熱さをまだまだフクアリで創れるんだというのを再確認したというか。やっぱりJ1に上がらなくちゃ。もちろん勝てなくて悔しいですけど、収穫や課題も含めて実りあるゲームだったのでは。個人的なMOMは大岩ですかね。今シーズン慶の離脱中はゲームキャプテンも結構やって精神的にも成長を感じてきたし、SBとしても守備やクロスボールが板についてきてCBが本職なのを忘れるぐらいですが、この日は途中出場ながらとにかくガッツを見せて泥臭いゴールで結果も出してくれた。慶をわざわざSBで使うよりは大岩をスタメンにしたほうがいいと思うけどなー。
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秋場所ゥフ2014

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9日目に引き続いての大相撲秋場所。ちょうど1年前と同じように、某F研メンバー+わたくしで秋場所ゥフ開催。今回参加者がさらに増えて総勢8人という大所帯。観戦ツアーとか以外でこんな大連番取ってる人いるのだろうか。

例によっていつもの中華屋行ってから入場。幕下のあたりはスクフェスオフ兼ビールオフやってましたね…。この日正直なところ幕下から幕内まで地味な取組が多く、解説者(何)としては十両以上の力士のルーティーンがむしろ見どころでしたかね。まあだいたいクリリン先生の前日の見どころまとめツイートに書いてますが、そういう観点では琴勇輝は気合い入れの動作と声に加えて立ち合い不成立時の審判長への謝罪の礼、さらには良い押しで完勝という、まさにフルコースを味わうことができたのがまずこの日のハイライトでした。F研公認力士の大道は徳勝龍に敗戦。しかしこれまた地味な取組なことで…

幕内は栃煌山、千代鳳などなど。内容的にも上々で、栃ノ心の力強い寄りなんかはやっぱり印象に残りました。、まあただ、上位の相撲がさっぱり…。琴奨菊は二本差されて構わず立合いの圧力だけで出るも寄りきれず小手投げでなんとか勝ち。豪栄道は終始宝富士にペースを握られ、すぐ右を首に巻く悪癖で自滅。稀勢の里は攻めてはいるもの、もう離れて取っても中途半端、四つでも中途半端。土俵際で腰が落とせないのが致命的。受け流してばかりの鶴竜に土俵際さっと突き落とされて二桁が消える。鶴竜もこんな調子ですし、白鵬以外の上位の目立たなさは今場所相当なもんですね。
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本日のメインイベント、白鵬に逸ノ城。この2人が入場してきただけでもう大歓声。ここまで熱気の漲った雰囲気は今までの相撲見物でも初めて。逸ノ城の進撃は本当に見事としか言いようがなく、内容はともかく1横綱2大関を下したという事実は場所前は想像もしてなかったこと。情けなくも鶴竜、稀勢の里、豪栄道が軍門に下り、第一人者白鵬の登場となったわけですが…まあ、逸ノ城に期待するという声も分かる。分かるんですが、今まで相撲をそれなりの期間見てきた者としてはここで白鵬が敗れるということがあれば今まで見てきた30回の幕内最高優勝とは何だったのかということになり、もう何を信じればいいのか分からなくなるかもしれないという恐ろしさがあったわけです。そういう意味で白鵬にはなんとしても勝ってもらわねば困る。こういう気持ちになることがあるとは…それだけの意味を持つ一戦だった。

白鵬は前日が鶴竜が食った変化を警戒してか立合いはそこまで鋭く踏み込まず、しかしそれでもさっと右差し左前褌を果たす。逸ノ城も左の上手を取りに行ってたと思うんだけど、白鵬はすぐに差した右の腕を返してそれを許さない。なんとか取った右下手は逸ノ城にとって生命線だったけれど、白鵬の良い位置の左上手にほぼ殺されており白鵬が動くのを待つしかない状況。向正面側から見てる限りでは白鵬はまずその下手を切りに行くかと思えば、正面側で下手を取り十分の両廻しで引きつけ重い逸ノ城を崩しにかかる。逸ノ城は下手投げで必死に残すものの、白鵬は間髪を容れずに左上手出し投げ一閃。逸ノ城は遂に土俵に倒れる。機を見る眼、休まない攻め。逸ノ城の立合いは明らかに白鵬と比べれば高く無策で、まずその時点の差から決まってしまったような白鵬の完勝。

流石は横綱白鵬、やはり現時点での力量の差は圧倒的なものがあった。正直改めて、これが横綱かと…。以前、白鵬と関脇把瑠都の全勝対決を大阪で見たときも似たようなことを思って、あのときと同じく思わず「横綱!」と叫んでしまう感じ。最近白鵬にやたらケチつけたりしてましたが、この日ばかりは感謝すらしたいキモチです。考えると、角界の第一人者というのは大相撲全体にとっても我々見物客にとっても精神的支柱であるものなんだなと。千代の富士が貴花田に敗れたときというのはまさにその支柱が崩れ去って時代が変わり、群雄が割拠した。そういえば千代の富士は幕内2場所目の小錦にも敗れているけど、あのときはまだ第一人者というほどではなかったか。優勝も争ってなかったし。

そういうわけで結びの一番だけで大盛り上がりの14日目でした。そのあとはさらにnoogooさんら2人が加わって10人の一団で江戸沢行ってちゃんこゥフ(実質ライムサワーオゥフ)と相成りました。反対側の席同士でも捗るラブライブトーク。横綱コースうまかった。去年にも増して充実の相撲ゥフ、参加者の皆さんお疲れ様でした。
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翌日の千秋楽で白鵬の31回目の優勝が決まったわけですが、白鵬も今場所はあの最低最悪としか言いようがなかった5月場所のような低調ぶりでもなく、判断の早さが際立つような内容もあったけど、千秋楽の相撲がやや固くピリっとしなかったので総合すれば普通か少し上ぐらいの出来になるか。5月7月と目も当てられない相撲が少なくなかった中だったので、そこそこ復調はしているのかなと。1月のような見事な優勝がまた見たい。ほかの上位陣は特にコメントすることが…ただ豪栄道は調子は出ないなりに、関脇時代にしょっちゅうあったような底の見えないような内容の悪さというほどではなく、普通に取って普通に負けている。場所前の膝のケガなども考えれば勝ち越しに乗せただけでも今場所は良しとしてもいいような気はする。平幕では勢が目立ってて、実際今場所は左右両方からの攻めが効いていたと思いますが、これを新境地ととるか勢いに任せた攻めととるか。嘉風は負け越したものの、昨年からのいい流れは継続している。豊ノ島は休場してなければたぶん勝ち越せていた。そして逸ノ城。パワーと体格、新入幕であの落ち着き。技術はまだまだで、投げや叩きは強引なところもあるけれど、伸びしろはまだまだある。来場所は当然上位総当りなので、さらに真価が試されるところ。で、この逸ノ城の影に完全に隠れたのが照ノ富士、遠藤、大砂嵐でして、揃って負け越し。特に遠藤は淡白でしたねえ。前に落ちる相撲が目に見えて多かった。入幕時から立合いの鋭さ、馬力という課題がある中で、色々試行錯誤はあるんだけど目立った成長が見られない。そうこうしているうちにあの柔軟な足腰が失われなければいいんですが。40歳0ヶ月での幕内勝ち越しを達成した偉大なる旭天鵬も忘れてはいけない。北の富士さんが「40まで見たい」と言い始めて何年経ったんですかね。今場所は旭天鵬といい逸ノ城といい、昔の記録に触れる機会が多くてそういう意味では面白かったですね。

来場所の番付予想。逸ノ城の新関脇昇進は固い…。その逸ノ城を先場所連破し、今場所は十両で全勝優勝を飾った栃ノ心の復活も期待がかかる。新十両では達の昇進は千秋楽に入れ替え戦を組んだことからもまず決まりと言っていいと思うのですが、正直なところやっと来たかという。入門時から注目されて幕下まではすごい勢いで来ていたと思うけど、上位の壁が厚かった。時間かかった印象はあるとはいえまだ20歳ですし、どこまでやれるか見ものですね。
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秋場所9日目

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8ヶ月ぶりの東京両国大相撲。夏は稽古総見行ったのに本場所行ってなかったんですよね。今回はクリリン先生となんとマス席での観戦。本場所でマス席座ったのは5年ぶりとかですね。あのときの結びは朝青龍-把瑠都だった…。そういえば平日に来るのも久しぶり。

おなじみの四川料理屋で腹ごしらえして13時ちょいぐらいからじっくり見物。幕下は栃飛龍や希善龍といった元関取や、達、照強、岩崎、錦木、朝弁慶といった、このところ幕下上位に定着している期待の力士の取組が多く、なかなか見ものでした。あまり組む相撲がなくて、突き押し勝負が多かったのは幕下らしいといえばらしいか。十両はなんといっても復活の栃ノ心でしょうか。ケガで力が落ちるどころかさらに増しているような感じさえある。このレベルでは左で上手を取ればもうなんとかなってしまう。里山も好調ぶりがわかるタイミング良しのキレのある下手投げ。阿夢露とか生観戦時に見るのは何年ぶりかわかりませんが、いよいよ幕内で見ることになりそう。そういえば、土俵入りで大道にそこそこ声援があって驚いた(失礼

十両取組の間からわらわらと人が集まりだし、中入の時間帯になると2階の上までギッシリ満員。いやー平日の満員御礼なんて両国で初めて見た。しかも9日目。今までは出るとしたら13日目ぐらいだった。去年あたりからチケットの売れ行きが好調なのは感じていて、1月に来たときも好景気ぶりに驚いたものですが、今場所の3日目以外全日程満員御礼(余程のことがない限り千秋楽まで続くでしょう)という事態は予想だにしていなかった。若貴の時代が良かっただとか華やかだっただとか言われますけど、個人的にはあれはかなり異常なバブル状態であったと思っていて。さすがにもうあそこまでの人気というのは起き得ないと思っていたら、あの不祥事続きから5年も経たずにこんな活況が見られるとは。しかも、たぶん平成初期のあの頃よりは健全な相撲人気だと思うんですよね。確かに遠藤という存在はあるけど、その前からの地道なファンサービス等々の積み上げがあるというか。前にも書きましたけど、八角広報部長の功績は大きい。未曾有の低迷期に大相撲の看板となって支えた白鵬や魁皇といった力士も忘れてはならない。

幕内ではやっぱり逸ノ城になるんですかねえ。とにかくパワーと体格があり、下半身までずしっと重い。入門の頃から話題になってましたが、やばいのが来てしまいました。この日も佐田の海を一蹴。白鵬の新入幕や把瑠都の新入幕、豪栄道もありましたが、勝ちっぷりと優勝争いでの印象としては平成に入って一番大きい新入幕じゃなかろうか。そのほかだと豊ノ島のうまい肩透かしとか安美錦の下手投げ等々。この辺りの力士はやっぱり見てて面白いですよね。

豪栄道-稀勢の里はこの日のメインイベントでしたけど、案の定稀勢の里は先手を取られ、なんとか上手を切って五分の態勢にはなるものの、そこで慌てて出て行ってしまって首投げを食らうという、何回も見たような展開。白鵬-宝富士はもうコメントのしようすらない。結びの一番、嘉風-鶴竜。お互いよく見ての突っ張り合いになる。最初攻勢だった鶴竜は嘉風とやや距離を取り過ぎていて突っ張りの威力を効果的に伝えられない。嘉風はそれに応戦しながら前に出て潜ろうとするところ、鶴竜はいつもの悪癖である右後ろへの引きを出してしまい、嘉風は待ってましたとばかりに懐に飛び込みながらの押し。座布団が飛んだ!嘉風はインタビューでも言ってましたけど、顎を引きつつ、かつ頭を下げすぎずの絶妙な姿勢を維持し続けていたし、常に自分の間合いで相撲が取れていた。それに付き合ってしまった鶴竜は何もいいところは出せず。嘉風豪風の尾車勢は最近とにかく「何か起こしてくれる」力士ですよね。だからこその新三役だったり新関脇だったりするわけで、この日も金星を獲った。30を過ぎてのますますの成長ぶりは驚くほかないです。そういうわけで、最後の最後で波乱があった秋場所9日目でした。

マスからの景色。
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