ガールズ&パンツァー 劇場版

すごいなあ。すごい。すごすぎる。見ながら小並感しか浮かばないぐらい圧倒される劇場版ガルパン。何しろ一切の妥協がありません。例によって時間をかけにかけただけあって、映像のクオリティはまさに驚異。劇場アニメはだいたいクオリティ高いけど、ここまでのレベルのものは初めて体験した。去年ムビマスとか最近ならアイカツ見ていても思ってたけど、アニメの3DCGってここまで来てるんだなあ。モノも背景も視点もダイナミックにぐいぐい動く。CGで可能になってるカット割りとか考えると、やってることが大作SFとそこまで変わらないんじゃないか。ガルパン、スターウォーズだった・・・。

ガルパンで好きなところといえば、人が死なないところと試合中に相手とあまりしゃべらないところですが、アニメ最終話と同じく映像と音で語らせる最終盤の戦いは、セリフも最低限に少なく緊張感溢れる中でしっかりとキャラクターのドラマも詰まっていて、さすが水島努としか言えないところ。カット割りに演出に、監督の力を感じるアニメだ。パンフレット裏の”A TSUTOMU MIZUSHIMA FILM”の文字が光りますな。往年の劇場版クレしんも髣髴とさせてくれる。

お話の基本線はシンプル&王道で、余計なものはないある意味いつものガルパン。おなじみのキャラも新キャラも一人としてなおざりにならず、しっかり存在感を示してくれる。それでいてあの大スペクタクルをがっつり120分やってくれており、これまたガルパンらしい大団円に辿り着く頃には実に濃密なアニメを見た満足感でいっぱい。ChouChoさんの歌う主題歌”piece of youth”もこのアニメを見終えた余韻をもう一震わせしてくれるエンディングにふさわしいもの。延期に延期を重ねてほんとどうなることかと思いましたが、これはもう最初から120分で描かれるべきものだったと言うべきでしょう。これを完成させてくれたなら、納得できないはずはない。私服みぽりん最高!以上!

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心が叫びたがってるんだ。

観てました。気付いたら1週間ぐらい経ってた。

一瞬だけファンタジーっぽくはあるもののちょっとした味付けぐらいなので、あの花よりだいぶ正統派な青春アニメです。一緒にラジオとか始球式とかしていたし、もっとあの花の続編的要素があるのかと思ってましたよ。僕はこの作品で描かれるような青春は1秒も通過していませんが、こういう青春っていいなって思うお話は好きですね。現実にはこんな綺麗にあれこれ動かないしみんなで一枚岩になることもないから、アニメとかで描かれるとよけいに気持ちよく見えます。あまりラブストーリーじゃないのもベタじゃなくてよいし、そうさせている登場人物たちのリアルな不器用さがもどかしくもあるけれど、このくらいのほうが逆に爽やかに感じられる気もします。

ちょっとモヤモヤのあるところも含めて王道ヒロインな菜月(を演じる天ちゃん is the Best Supporting Actress)にも惹かれるのですが、やはりこの話を動かしてかき回していく順が魅力的です。高校の頃(ぼっちオタクよろしく)ああいう子が好きでしたしね。と同時に、自分とも重ねたくなる。夢見がちだし、いつまで経ってもわけのわからなさがあるし、行動も突拍子なく感じられるけれど・・・なんか理解できる気がするんだな。順のモノローグは割と多いのですが、それでもますます心の内が気になるヒロインです。

CMでも流れていた『悲愴』を含めて、(ミュージカルらしい)いくつかのスタンダードナンバーが印象的に使われています。歌は一つのテーマ。歌に乗せれば本当に喋りたいことも伝えられると、主人公・拓実くんは言います。歌にはそのぐらいの力があると、音楽好きとして信じたい。歌っていうのは、いちばん根源的で常に人と寄り添うようにある音楽だと思うから。歌のない音楽ばかり聴いていたって、そう思っています。歌じゃなくて楽器の演奏でしたけど、僕も一人で立った舞台の上ではなんでもできるような気がしました。音楽の素晴らしさってこういうところだよね。青春っていいなと思うと同時に、音楽っていいなと思える作品。

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舞台挨拶行きたかったなあ。

ラブライブ!The School Idol Movie

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公開2日目の朝10時から観に行ってきました。

もう胸がいっぱいで何も言えない。いろいろ心配だったけど、アニメ版ラブライブ!のμ’sにとって、改めて良いラストで終われたなって。この話はもともとアニメ2期で綺麗に終わったと思っていたんです。だから、TVアニメ版と連続性を持たせなくていいんじゃないかなと。別にTV版が正史というわけではないし、いつどこからでも描ける懐というのがあります。この劇場版がアニメ版の正統な続編ということになったのは当然の流れといえばそうなんですけど、もう色んなものをこみ上げさせられた最終話を否定する流れは嫌だなぁと思ってたわけです。でも結果としては、色々あったけど、よりいいエンディングを提示してくれた。「みんなで叶える物語」を今まででいちばん盛大に具現化してくれたというか、Make it ourselvesなスクールアイドルの世界でしかできないことをやってのけてくれたなと。1人から始まって、1人2人と集まって9人になって最終的に「みんな」になって、こんなに素敵で楽しいことを動かして起こしていけるっていうことにわたしは心動かされますし、その「エンジンであり牽引者」である穂乃果には改めて憧れる。このお祭りのあとの終幕、その描き方…物語としても、アニメの中のμ’sとしても、自分にとっては納得がいっています。また、端々で挟まれる楽曲も相変わらずmasterpiece揃いだったし、振り付け・画もとっても綺麗でした。私服ファッションやライブ衣装も目を引く。メンバーのやりとり。どこにだって魅力がある。やっぱりこう、1月の5thライブ後に思ったことと同じで、好きでいてよかったと最大限感じさせてくれる作品だし、もうわたしもいい大人ですけど、人生の一時期をラブライブ!と駆け抜けられたという記憶を刻むことができる。本当に幸せに思います。

で、ここまでは全体の感想ですが、まだ書かねばならないことがあります。それは雪穂の出番が予想以上に多かったということです。なおぼうのファンとして本当にびっくりした。雪穂はこの映画では単なるサブキャラではなくて、ちゃんとした役目が与えられているんです。終わりあるものとしてのスクールアイドル・・・終わりがあれば始まりもあって、2つが「あこがれ」で繋がって、受け継がれていく。2期終盤で方向を見定めて歩き始めた雪穂と亜里沙が、確実に「次」を担うものとして描かれて、そしてしっかりとバトンを受け取ってくれた。そのことが本当に本当に嬉しくて…もう、終盤の雪穂のシーンはその姿を見てるだけで感動してしまって涙を禁じえず、ほんとそこでダメでした(今もこれ書いてるだけで泣いてる)。なんて言ったらいいんですかね。去年アイカツ見てたときも似たようなことを思うところあったんですけど、ラブライブも通底するものを見せてくれた気がします。なおぼうが「雪穂を演じる身としても感動するところがあります」って言ってたんですけど、それは本当です。とにかく、計らずも「なおぼうのファンやっててよかった」とも心から思えてしまった劇場版。こんな幸福そうそうない。何回も何回でも観たい映画です。