欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE

こんどは欅ちゃんのライブに来ました。

このあいだの乃木坂のライブはチケットが取れたのでふらっと行ってみたという感じでしたが(その割に大阪まで来た)、欅は年末にサイレントマジョリティーを歌う鈴本美愉さんをTVで見て、やっぱアイドルはパフォーマンスだよな〜と思ったりもして、これはライブを見てみたいなと思ってて。曲もサイレントマジョリティーと二人セゾンしか知らなかったけど、何かと印象的な曲が多い。ギターが耳に残るので、ロックのエッセンスが強いように思います。普通のアイドルソングじゃないんだけど、かといってよくあるサブカル楽曲派みたいなお飾り感がない。これを実際のパフォーマンスと合わさって一つの作品が出来上がる…という面白さが気になってライブに来てしまいました。

ライブとしては○周年のいわゆるアニラというやつで、幕間の映像では「歴史を振り返りましょう」みたいなことをナレーションが言うのですが、セットリストは意外とオーソドックス。「サイレントマジョリティー」で始まるというのがニワカにはとてもありがたいです。この曲が最初に来るのがとにかくかっこいい。続けての「世界には愛しかない」「二人セゾン」というシングル曲連発もしびれます。今まで映像でしか見ていなかったけど、俯瞰でフォーメーションを見ると各人ごとの細かいステップや位置取りなどがわかって目から鱗です。全曲フル尺なのも嬉しいですね。ユニット曲に関しても、長濱ねる、尾関梨香、小池美波のゆるいユニットによる「音楽室に片想い」が聴けたのはよかったし、小林由依さんソロによる「渋谷川」は泣けました。「誰のことを一番 愛してる?」は坂道AKBの曲ですが、もはや欅のレパートリーと化していますね。

それにしても、サイレントマジョリティーでの登場からついつい目で追ってしまうのがやはり鈴本美愉さんです。踊る姿がとにかくしなやかで力強く美しい。金髪で目立つということもあるのですが、とても凛としたパフォーマンスを見せてくれます。とにかく喋らないのですが、パフォーマンスしていると表情も意外と豊かなのがギャップでいいです。この日は鈴本さんがフロントにいる曲も多かった(ユニット曲こそないものの)ですね。平手友梨奈さんはこの日はまずまずといった感じでしょうか。稀代のパフォーマーである彼女からすればもっとできると思いもしてしまうのですが、ここに立っているだけでも十分と言えるほどの状態ではあったかもしれません。それから、MCで大変頼もしく見える菅井キャップ。ちゃんと各メンバーに話題を振って受け応えしつつ話をまとめるあたりはグループ全員のお姉さんのようです。彼女がキャプテンを務めている理由がわかりました。

ところで、今回は2期生全員が本格的にパフォーマンスに参加する初めてのライブだったのですが、この独特なグループに予想以上に早く馴染んでいたように思います。オリジナルで参加している楽曲はまだないため、卒業したメンバーの穴を埋める形、あるいは人数を増やしてのパフォーマンスとなっていましたが、十分に戦力になっていました。とくに髪を切った井上梨名さんやポニーテールにしていた山崎天さんは目に留まったかな。フロントに入っている曲もあったし。1期生に負けず劣らず個性的なメンバーが多いので、これからどう食い込んで来るのかが楽しみです。

ライブは「アンビバレント」「風に吹かれても」というアクティブなナンバーでクライマックスへ。「アンビバレント」は昨年の年末にTVで何回聴いたのかわからないのですが、おそらく全曲中もっとも難易度の高い振り付けのライブパフォーマンスでの迫力は期待に違わないものでした。TVで披露された鈴本さんのセンターバージョンも非常に面白いのですが、それはそれと言うものでしょう。「風に吹かれても」も軽妙なステップが独特で、目にも耳にも残る曲です。明るい曲なので、思い思いの表情をしているメンバーを見るのが楽しいですね。両曲ともコールを入れる箇所も多く、大変盛り上がって本編は終了。

アンコールはなんと乃木坂46のナンバー「シンクロニシティ」からでした。平手さんを主人公としたまったく新しい振り付けになっています。「主人公とした」というように、最新曲「黒い羊」が想起されるような、あるストーリーを感じさせる振り付けに見えました。菅井キャップによると、この曲の歌詞が今の自分たちの心情に合っていると感じて歌うことに決めたのだそう。NHKで放送されていた「黒い羊」のフルパフォーマンスが大変素晴らしかったので、それを見るのも一つの目的だったのですが、残念ながらこの曲の披露はなし。それだけでなく「もう森へ帰ろうか」や「避雷針」、「エキセントリック」といったダークでデカダンな(しかし美しい)曲がセットリストになかったことを考えると、希望に満ちた「シンクロニシティ」に象徴されるように、全体としては明るめなコンセプトだったのかもしれません。1ヶ月後の武道館公演に持ち越しということにはなると思います。最後はおなじみの「危なっかしい計画」で締め。この曲で楽しそうにしている鈴本さんを見ると、やはりライブに来て良かったなということに思い至ります。初めてのライブだったけれど、知らない曲がなかったのが自分でも驚きです。目を瞠るパフォーマンスやメンバーの個性も期待通りのもの。また近いうちに見られればいいなと思います。

大阪フェスティバルホールといえば、僕の中ではキース・ジャレットが昔からたくさん公演をしていた会場というイメージがあります。それからマイルス・デイヴィスのAghartaとPangaeaもここのはずで、開館当時はストラヴィンスキーの自作自演による「火の鳥」が披露されたなんて話も聞いたことがあります。そういうこともあって、長いあいだ訪れてみたい会場の一つでした。残念ながらリニューアルする前のホールには行くことは叶わなかったのだけれど、今でもその威容にしっかりと歴史を感じさせながら、かつ豪華な現代的設備の美しいホールでした。

SETLIST

  1. サイレントマジョリティー
  2. 世界には愛しかない
  3. 二人セゾン
  4. 音楽室に片想い
  5. 僕たちの戦争
  6. 渋谷川
  7. Nobody
  8. 手を繋いで帰ろうか
  9. 制服と太陽
  10. 誰のことを一番 愛してる?
  11. 東京タワーはどこから見える?
  12. 結局、じゃあねしか言えない
  13. ごめんね クリスマス
  14. ヒールの高さ
  15. 100年待てば
  16. アンビバレント
  17. 風に吹かれても

(Encore)

  1. シンクロニシティ
  2. 危なっかしい計画