森山大道の東京 ongoing @東京都写真美術館

先ごろ終了した森山大道の展示に駆け込みで。

たぶん自分のアンテナが低いだけなのだが、森山は1960-70年代の作品が取り沙汰されることが多い気がしていて、現在進行形の作品がまとめて見られる機会があまりないように感じていたので、まさに”ongoing”と題されたこの展示会には興味があったのです。

ongoingと言いつつ、会場に入って最初のフロアで出会うのはいつもの「三沢の犬」だったり、ほかの1960年代の諸作品だったりするけれど、シルクスクリーン印刷のドット感がおもしろくて、ただでさえ単純化された階調、暴力的なまでに粒子で覆われた「表面」が、白と黒の点の集合体による小宇宙のようにも見えて、ただならぬ吸引力を感じる。そして、ミクロからマクロに視点を移してみたときに得られる実体感も、体験としてとても満たされるものがある。森山の、プリントまで含めて写真(あるいは森山自身の表現)という活動、みたいな姿勢はいいです。このフロアだけ撮影可能。

最初のフロアのだいぶ「さようなら」した作品群と比べると、メインのフロアのongoingな作品はインクジェットプリントのいわゆるストリート写真が中心で、親しみやすい。このあたりは極端な話、自分でも撮れないことはない写真もあるのだけど、ストリート写真を撮る人にとっては、自分ではない誰かの目を通した街を見ること自体が楽しかったりする。森山自身がどこかで言っていたように、写真はアマチュアリズムが本質にあることが面白い。その森山の目はどうかというと、先のフロアと比較すれば、デジタル写真であることによるクールさの印象も強いのだけど、とらえている画がやはりどこかヘンで不穏である。再開発によって整然と「消臭」された東京と、それでもなお駆逐されずに残る、猥雑でエロティックでイヤらしい、ヘンな東京との間に存在する断層を森山の鋭利な目線で暴く作品群。そのコントラストに目眩がしてくる。

影響されやすいので久しぶりにストリート写真っぽいものを撮ってみる。

前に写真美術館に来たのは、なんと17年前のこと。ファミコン20周年を記念した「レベルX」というビデオゲームの展覧会があったんですよね。自分で写真を撮り始めたのはその2、3ヶ月あとだったりして。また来たいと思いつつそんな時間が経っていた。

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