東京都美術館若冲展

_5201504 NHKが宣伝しまくっているおかげで行列の長さしか話題になっていない若冲展。列に並ぶのが大嫌いな人種なのでこんなん誰が行くねんという感じですが、実はけっこう前にチケットをもらっていたので仕方なく朝から行くことにしたよ。4月中に行けばよかった・・・。伊藤若冲といえば、6年前に千葉市美術館でやっていた「伊藤若冲 アナザーワールド」という展覧会を見ている。このときは待ち時間0分で中も閑散としてて快適に見れたのだが。

_5201513 並んだのは8時40分ぐらいから。ちなみに、7時から両国で大相撲の自由席チケットの列に並んでたのでこの時点ですでに1時間以上立ちっぱ。最初のほうは割とすいすい進んでて、そんなかからないんじゃないのと思ってたら9時半に開場してから急に牛歩化。都美の入口が見えるまでに2時間。そこから建物に入るまでに1時間、中に入ってからチケットもぎられるまで30分。クソです。で、入ったら入ったで展示の前には人が常に張り付いており、まあ年寄りが多いので背伸びしてなんとかという感じ。身長ないと人の波に任せるしかないのでつらいと思う。こんなふうに人が群がっていた絵画といえばルーヴル美術館のモナ・リザですが、それがほぼ全フロアに渡って続いている状態。せっかくこんだけ並んでもあまりいい美術体験ができる環境ではないというのがなあ。作品は別として、体験としての価値でいえば210分の待ち時間には見合わない。こんなんだから一つ一つじっくり凝視しないで、ぱっぱと見て行って1時間半ぐらいで離脱した感じっすね。死ぬほど足も痛いことだし。

_5201520 しかし、鑑賞する環境に不満はあれど作品そのものの価値は下がることはない。6年前に見た作品も多いんだけど、たかだか1回見たぐらいなのでまだまだフレッシュな印象で見られる。前回見たときはよく言われてるような極彩色とあまりにも細かいディテール(じっくり見れたので)に圧倒された印象が残ってたんだけど、今回見ると力の抜けた墨絵もとても素晴らしい。「象鯨図屏風」のような大作もありつつ、間を活かしたミニマルな作品も瑞々しい空気を感じさせます。それから虎の絵や波の絵にもあるように、精緻なディテールの中で溢れるポップ感というのも今回見て改めてわかったり、やはりとんでもなく深みのある画家だなと。図録もよく読まねばならない。

そういえば上野に来るのも久しぶり。学生の頃に東京文化会館の図書室使ったことあったなあ。修学旅行生いっぱい。
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メディア芸術祭へ

例によって数日遅れですが、金曜日に六本木まで文化庁メディア芸術祭に行ってきたのでした。
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本当は特に行く予定でもなく、友人と広尾に集合だったので、ちょっと歩けば行けるじゃんということで、六本木まで2~30分ぐらい歩き。このあたりは車通りはそこそこありますけど、基本的に閑静でよろしい。新宿とか光と音のノイズがホントやかましいので。

国立新美術館は来るの初めてですね。駅の広告とか見ててけっこう興味を惹かれる催しが多いんですけど、六本木は微妙にアクセスが悪いもので、なかなか来れてなかった。このメディア芸術祭も期間が2週間もないぐらいなので、このタイミングでたまたま来れたのは僥倖という他ない。平日でも結構人は来ていて、アート系の学生とかが多かったかもしれない。一部を除いて写真撮影がOKということだったので、カメラ片手に色々見てみた。

展示はどれも興味深いものばかり。ナム・ジュン・パイク的なビデオアートもあれば、ビッグデータを利用したもの、インタラクション。いくつかアニメーションとかコミックも展示されていたし、Webサービス的なものまで。メディア芸術祭って今回が17回目らしいんですが、ここ3,4年の進化ってものすごいんじゃなかろうかと。
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映像で面白かったのが、多摩美の学生が卒業制作で作ったというミュージックビデオ「Airy Me」。Cuusheというアーティストの曲で、曲の方はなんだかSigur Rosみたいなものを感じる。浮遊系ウィスパーボイスエレクトロ。ベルリン在住とのことで、ドイツの「こういう」ミュージックシーンって最近どうなってるんだ。去年出たという1stアルバムは手に入れてみたい。それは置いておいて、映像のほう。全編手書きのアニメーションなのだが…音というものからこれだけの世界を構築するインスピレーションにまず感動してしまう。こういう作品を見ると、自分の「画」に対する想像力の欠如を感じますねまったく。サウンドに偏重している。

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1時間ぐらい見て、その後は六本木界隈をぷらぷら。帰りに新宿でソーセージとポテトをつまみながら軽く飲みつつ。そういえば今回は広尾で降りたので恵比寿で乗り換えだったんですが、恵比寿といえば、写真美術館も行こうと思いつつ行けてないところ。前に行ったのは2003年の年末のことで、ファミコン20周年記念のレベルXというゲームの展覧会があったんだった。今度はもっと写真に関連する展示を観ようと思いつつ10年経ってた。あの頃はゲーマーだった。