爆走おとな小学生『初等教育ロイヤル』

4/8の大千穐楽を観劇。

新宿シアターサンモールは少し前にこのへん歩いてて気になっていたりしたのだった。なのに行きも帰りも急いでたので写真がない。300席ぐらい。

神聖な場所「校長室」を目指して小学生たちが殺し合いをするディストピアな話で、はじめは小学生のお戯れと見せかけておきながら普通にバイオレントだった。学年ごとにチームになっていて、カラーも団結力も違うし、初っ端6年生が1年生にボコボコにのされる面白さもあり。全体的にセリフがものすごい早口で、音は聞き取れないけど頭では何言ってるか理解できないこともないぎりぎりのところ。かと思えば回想シーンなんかも多くてようわからんテンポ感だなと思うわけだけど(でも回想シーンに切り替わるところの演出はおお!となる)。唐突な結末も匂わせぶりだけど、主役の佐川大樹さんによればバッドエンドということでいいらしい。

前田佳織里さんがとても良かった。ただ一人しか生き残らないこのストーリーにあってとりわけ悲劇的な最後を遂げてしまうのだけど、真ん中に立ち一点を見つめながら2年生を引っ張る小さな姿が目に焼き付く。エ〇ァのパロディみたいな役柄で、セリフが基本お堅いのだが(そして早口)、その中での感情の滲み出し方にとても迫力があった。いつも見ていた役柄と全然違うから余計にそう感じる。他には1年生役で出ていた足立英昭さんが面白かった。戦闘力の高すぎる1年生の役で、この舞台の上ではいるだけで面白いコミカルな役なんだけど、アクションもばりばりやるし、もっとスマートな役もきっとできるんだろうなと。調べてみたら、役者としてはまだデビューしてから2年と少しのキャリアのようだ。ナニモンだよ・・・。佐藤日向さんは全体の中で今ひとつ役どころが目立っていなくてどうも。でも見せ場はあって、それを見るとやっぱり色々場数踏んでいい役者さんになっている。ダンスパートはさすが!

ブルマに興味ないマンだけどやられてしまった。

天才劇団バカバッカ Vol.19 BADASS PSY-KICKS!

天才劇団バカバッカ本公演「BADASS PSY-KICKS!」大千穐楽公演。
Untitledバカバッカという劇団はけっこう前から気になっていて、なぜかというと座長の木村昴さんがドイツ出身で自分と同い年だからである。ドラえもんに出始めたときから彼に親近感があって、近年ピングドラムやピンポン、ダンデビなどオタク向けのアニメに出ているのもひそかにうれしいのである。で、今回観に行った理由は木戸衣吹ちゃんがTwitterで宣伝していたからです()

六行会ホールは250席ぐらいの小劇場。4列目上手側の通路席だったから、たまに舞台から降りたキャストが通路を歩いたりするときは間近だった。ストーリーとしては何の変哲もない生活をしていた5人の若者が突然に拉致され超能力者に改造、悪の組織と戦うことになるという超能力戦隊もの。超能力者にされた段階で5人に担当カラーがついているというわかりやすさ(笑)たぶんこの劇団ではお約束であろうドラえもんネタはじめ、出演者それぞれが演じた色んな役柄のパロディや、なかなか辛口の時事ネタも盛り込んであって、エンタメ感が満載。戦闘シーンのアクションもけっこう激しめでこの距離で見るとなおさら大迫力。赤間直哉さんのジャニーズ事務所直伝のバク転が凄かった。木戸ちゃんは3人組アイドルの1人で、一見いてもいなくてもいい見えない妖精みたいな役なのだが、ストーリーと関わってないようで関わってていつの間にか一緒に歌って踊ってるというミュージカル感もたーのしい。基村樹利さんがかわいかった。そういう中で、やっぱり座長である昴さんの舞台上での存在感は濃かった。最初の登場シーンは仕事中にPCのキーボード叩きながら寝ているというものなんだけど、それだけでぐっと空気が変わって引き込まれる感じ。台詞回しもそうだけど、一つ一つの動きが見逃せないからついつい目で追っているという。最近ラッパーとしても活躍してるし、改めてまたこういうのも見てしまうと、多才な人だなあと。

そんで、毎回公演で違うゲストが来ることになっているのだけど、千穐楽では昴さんの師匠であるところの関智一さんで、いちおう今回の話のラスボス役なんだけど、そういう割とクライマックスな場面での智一さんのブチ壊し具合が異常だった(笑)台詞が半分以上アドリブでほぼ下ネタなのが裏切らない。最終的に舞台袖から昴さんのリュックを持ってきて中に入ってた劇場版ドラえもん舞台挨拶の台本を公開するに及び、昴さんが「台本に戻らせて下さい!」と懇願していた(笑)でもそんなことをやりつつ、最後の挨拶を聞くにこの10数年の信頼関係がひしひしと。まーじでなんでもありのエンタメ舞台。たくさん笑って楽しかった。

Flying Trip Vol.12 『ブラックダイス』

伊波杏樹さんの演技に惚れちゃったので。
Untitled見たのはAキャスト初演の回でした。あうるすぽっとは300人ぐらいの小劇場。A席だけどまあまあ近い。この規模だとピンマイク使わないので全部生声。特に今回は男性キャストに舞台経験豊富な人が多くて、声の通り、響きがとにかくすばらしいなと。身体全体で発声しているというのがわかる。杏ちゃんのやわらかくてちょっとねばっこい声も、線が細いながらもよく伝わってきます。

お話としては、生まれてこの方何やってもツイてない貧乏娘が、詐欺師に言われるまま自分を捨てた父親への復讐と借金返済を同時にやらされるというやつ。だからいつも見てる杏ちゃんとか杏ちゃんのやってるキャラとは違う性格の主人公ではある。けれど、そのぶん表情の豊かさとか声の抑揚のつけ方とか、杏ちゃんの演技のレンジの広さが活きる役柄だった。あとちょいちょい入るモノローグとかも、一言一言に芯が通って力強い。言い切ったり、体言止めのセリフ回しにすごい説得力があると以前から思っていて。カーテンコールでのコメントでは緊張が切れてへろへろになってたのも彼女らしかったな。杏ちゃんの初主演舞台の初演ってだけでなく、そういう期待してたものも見れてますます嬉しくなった次第ですよ。なんかまた一つ楽しみができてしまった・・・


ちょろいのでDVDとプロマイド衝動買い。