例によって1週間前の話なんですが、鶴竜の横綱推挙式と土俵入りを見に明治神宮まで行ってきました。
到着が15時ちょい前で、すでに見物客で社殿前はいっぱい。なんとか視界を確保できる位置につけて、鶴竜や北の湖理事長、井筒親方らが南の門ほうから本殿のほうに向かったあとは推挙式のあいだ待ちぼうけ。本殿のほうで何やらやっているのは見えるんですが、背伸びしてようやくという感じだし、陽射しがキツくて体力使いました。結果、現場にいるのにニコ生で詳細確認というおかしなことに。40分ぐらいで本殿から出てきて、それからまたしばらく待ったところで、聞き慣れた呼出秀男の木の音。木村庄之助と秀男、新横綱鶴竜、太刀持ち勢、露払い鏡桜で奉納土俵入りが始まりました。貴乃花が指導ということで微妙に心配してはいたんですが、貴乃花ほどせり上がりの前傾も深くはなくのっそのっそという感じでもなくでしたね。最初だからか、かなりゆっくりめの土俵入りでしたが、これからどう転ぶか。観たあとは一応お参りして帰りました。なんでか明治神宮は人が多いときにしか来ていない。
そういえば、土俵入りの指導が貴乃花がやったというのは興味深いことでした。鶴竜の時津風一門にとっては柏戸以来53年ぶりの横綱誕生だったわけですが、そこまで昔となると横綱経験者はすでに現役年寄には皆無。こうした場合どこかの一門から経験者を呼び寄せて指導をすることになりますが、現在の二所ノ関一門に伝わる雲龍型土俵入りというのは、二所ノ関の始祖・横綱玉錦のものではなく、その死後に昇進した横綱若乃花のために時津風の始祖・横綱双葉山が21代木村庄之助を遣わせて指導したもの。この型を現在受け継ぐ元横綱といえば、まさしく貴乃花なわけです。ただ、貴乃花は二所一門をすでに離脱しているので、協会としては理事長の一門である出羽一門から武蔵丸あたりを呼び寄せる可能性が高いかと思ってましたが、すんなり貴乃花が呼ばれましたね。こういう系譜を考慮してのことなのかどうかはわかりませんが、60年越しで土俵入りが時津風一門に還ったということで、意外と歴史的なことだったという話。